「痰を切る」の使い方・例文
「痰を切る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.祖父ののどの調子が悪いので、治療院で痰を切ってもらおう。
2.そんな痰を切るようなことを言って、あとでどうなっても知らないよ。
3.「窓口の受付が日曜定休って聞いて翌日行けばいいと思ったら月曜も休みじゃないですか、ネットで調べて倉庫にはあとわずかしか在庫が残っていないってお問い合わせ先ってのを画面で確認して急いで来てみたら休みだなんてどうしてくれるのかね、休みの予定が前から決まっているならあらかじめお知らせとかで知らせるものでしょ、こちらはいつでも時間があるわけじゃない、私はプレミアム会員ですよ、ちゃんと判断できる責任者呼んで来てもらえないかね」などと痰を切るかのごとくクレームを入れ続けた。
随分と例文が長くなってしまいました。「痰を切る」のイメージをつかんでもらうため、あえて長い例文としましたのでお許しください。息を継がずに早口で読めば、より「痰を切る」ようなものの言い方になります。それにしても、3のクレーマーの方は電話1本入れればよかったのにと思いますよね。
1の「痰を切る」が本来の用法です。お年寄りが薬の使用や医師の手を借りるなどの方法で、実際に痰が絡んだのを治そうとする様子を表しています。
2と3の「痰を切る」が慣用句としての用法です。「痰を切る」の部分を「大げさに」や「次から次へと」などに変えればイメージがつかみやすいのではないでしょうか。いつも物事を何倍にもしてしゃべる人や相手の話を聞かずに自分のことばかり話し続ける人、そういった状況を思い浮かべれば、慣用句としての「痰を切る」の意味が理解できるはずです。
「息巻く」
「息巻く」(いきまく)にも、「激しく言いまくる、勢い込んで言う」という意味があります。激しい物言いをするというのは「痰を切る」と同じです。
2つの違いはそれぞれの語源からたどるとわかりやすいので、それぞれ説明していきましょう。「痰を切る」は、つかえていた痰が取れるような勢いからくる言葉ですので、勢いよくしゃべるという意味があります。対して「息巻く」は、呼吸が荒くなることが由来ですので、どちらかというと荒い口調で大声で怒鳴るというトーンです。
\次のページで「「痰を切る」の対義語は?」を解説!/