「一人前」
もう一つの類義語には、「一人前(いちにんまえ)」があります。技芸や学問などについて、一応の水準に達していることという意味です。もとは「一人分」や「大人であること」という意味であり、一定の水準にあって一人として認められる段階にきているということを表しています。
「さまになる」は客観的な見た目について言うことができますが、「一人前」のほうは実質的な技量などのレベルに関する表現になっているので少し違いがありますね。
「さまになる」の対義語は?
次は、「さまになる」の対義語についての説明です。「さまになる」の反対に、「ふさわしくない」ような意味合いの慣用句について見ていきましょう。
「取って付けたよう」
「さまになる」の対義語には、「取って付けたよう(とってつけたよう)」があります。意味は、言葉や態度などが不自然でありわざとらしいようすのことを表していますよ。一体化していたり、調和していたりということがなく、取ってきて付けたことがわかるような違和感を感じるようなニュアンスです。
例えば、体験したことがないのに体験したかのように話そうとすると、詳しい人からすると違和感を感じるものですね。そんなときは「彼の話は取って付けたようで、ピンとこなかった。」などとなります。
「浮き上がる」
もう一つの対義語は、「浮き上がる(うきあがる)」です。物理的に底のほうから上方へ移動するという意味のほか、ほかのものとのつながりがなくなり離れていくという意味があります。周りとの違いが際立つことで、浮かび上がって見えるということです。
幅広い場面で使うことができますが、とくに人と人やグループ間などの違いなどがはっきりわかる場合によく使われます。例えば、「みんなが冷静な中、彼だけはしゃいでいたので浮き上がって見える。」といった使い方がありますよ。
「さまになる」の英訳は?
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最後に、「さまになる」の英訳についての説明です。ほぼ同じ意味を表すようなキーワードとなる単語を使って、「さまになる」の英訳について見ていきましょう。
「look good」
「さまになる」の英訳には、「look good」があります。意味は、「見た目がいい」「似合っている」「調和している」などです。服装がさまになっている場合は、「in those clothes」を後ろに付け加えた表現ができます。
その他、「be suitable」も「適している」「ふさわしい」という意味です。しかし、その人がふさわしい格好になってきているというより、その場に合うかどうかという意味で使われる表現になっています。そのため、人は主語にせず、「Her clothes are not suitable for a day off.(彼女の服装は休日にふさわしくない)」とするのが一般的です。
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