
いろいろな種類の化学式を使い分けよう!覚え方のコツを医学部の実験助手が5分でわかりやすく解説
化学式は構成している元素の比率を表しているもの、1つの分子を作っている原子の組み合わせを示しているものなど、何を表しているかによって変わってくるんです。他にもイオンの価数を覚えていないと書けない化学式も存在するので、基本的な元素の価数と合わせて解説していきます。
それでは、化学式の種類と使い分けるコツについて、化学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。
ライター/オリビン
理系の大学院を卒業後、医学部の研究室で実験助手をしている。バイオ実験には化学の知識が必要不可欠なため、化学の知識についても熟知している。
化学式とは

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化学式(かがくしき)とは、化学物質を元素記号を使用して表す表記方法のことです。元素記号とは物質を構成する最小単位である元素をアルファベットの大文字や大文字と小文字の組み合わせで表したものですよ。化学式は大きく分けて組成式と構造式に分けられます。組成式と構造式ではその性質が大きく異なっているため、それぞれについて分けて解説していきましょう。
組成式について

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組成式とは、構成しているイオンの種類とその数の割合を最も簡単な整数比で表したものです。ここに塩の塊があったとします。塩はNa+とCl-が無限に結合している塊です。この塩の塊をそのまま化学式で表そうとするとNa∞Cl∞となってしまいます。この∞の部分を一番簡単な整数比で表すとNaClとなりとてもスッキリとして見やすくなりました。
グルコース(ブドウ糖)の分子式はC6H12O6ですが、組成式にするとCH2Oになるんですよ。グルコースの場合は分子式で書かれていることが多いので、組成式に直した表現はパッとは出てこないかもしれませんね。
構造式について
物質の構造がどの様になっているかを表した式を構造式といいます。基本的に構造式は二次元的に書かれるため、実際の構造をそのまま表している式ではありません。構造式は分子式・電子式のように元素と元素の関係について記した式です。
分子式とは
元素が2つ以上結合したものを分子と呼び、その分子を表した式のことを分子式と呼びます。例えば塩化ナトリウムは塩素とナトリウムが結合した分子で、分子式で表すとNaClとなるのです。他にも気体の元素は基本的に分子として存在しています。そのため酸素はO2(2は下付き)、水素もH2(2は下付き)と表されるんですよ。この場合、元素は1種類しか使われていませんが、2個の元素が結合したものなので分子式になるのです。
電子式
分子式では元素同士がどのように結びついているのかが読み取りにくいですよね。そこで考え出されたものが電子式です。電子式は元素の周りに最外殻電子を点で表すことで、どの原子といくつの電子を共有しているのかを表すことができます。
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