この記事では「折り紙を付ける」について解説する。

端的に言えば折り紙を付けるの意味は「確かな品質や実力を保証できること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「折り紙を付ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「折り紙を付ける」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「折り紙を付ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「折り紙を付ける」の意味は?

「折り紙を付ける」には、次のような意味があります。始めに辞典で正確な意味を確認し、さらに詳しい内容をチェックしていきましょう。

1.品物・人物などについて、信用できるものとして保証する。太鼓判を押す。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「折り紙を付ける」

「折り紙を付ける」は「信頼できると物や人を保証する」という意味。家具や家電製品の購入。大きな買い物をする時、「この商品は間違いない」という根拠に基づいた保証があると安心して購入できますよね。「折り紙を付ける」はこのように「もの」に対して使うことも多いですが、「ひと」に対して使うことも特徴。「品質が確かな物・技能が優れている人」を表現する慣用句なのです。

あなたの周りには実力・能力が優れている魅力的な人はいるでしょうか。尊敬できる人から多くのことを学ぶ。きっと日々の生活が豊かになるでしょう。

「折り紙を付ける」の語源は?

次に「折り紙を付ける」の語源を確認しておきましょう。「折り紙」と聞くと鶴などを折るカラフルな折り紙が思い浮かんできませんか。

ここでの「折り紙」は「横半分に折った文書」。平安時代、この折り紙は「贈呈品などの目録」として使われていました。そして、時を経て江戸時代。この頃になると美術品や刀や剣などの「鑑定書・保証書」として使われるようになりました。クオリティはどこにも負けない素晴らしいものであることを保証する書類として骨董品などと一緒に保存されたのです。ここから由来して、「人や物の価値を保証すること」を「折り紙を付ける」と説明するようになったのですね。

\次のページで「「折り紙を付ける」の使い方・例文」を解説!/

「折り紙を付ける」の使い方・例文

「折り紙を付ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように使用されます。

1.床の間に飾っている花瓶はなんと有名作家の作品。100万円の価値があると鑑定士に折り紙をつけてもらった。

2.A社の開発したコンピュータのソフトウェアはクオリティが極めて高く、世界が折り紙を付けている。

3.グルメ雑誌の編集長が折り紙を付けたお店のランチメニューは、どれも絶品だった。

4.彼の巧みな文章力にクラスメイトみんなが折り紙を付けている。

「折り紙を付ける」は「骨董品や美術品」・「物や人」に対して「価値や実力がある」ことを表現します。 例文1は「花瓶」は「素晴らしい美術品で価値のあること」。例文2と例文3は「ソフトウェアやお店の評価が高く信頼できる様子」。例文4は「学校では誰もが認める確かな実力があり、お手本となるような人だという様子」が感じられるのではないでしょうか。

いずれの例文も、「物や人」に対して「信頼・実績・腕前・技量」があることを示していますよね。第3者からの高評価や信頼はモチベーションアップに繋がるかもしれませんね。

「折り紙を付ける」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「折り紙を付ける」の類義語にはどのような言葉があるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「太鼓判」

「太鼓判(たいこばん)」は「太鼓のように大きな印判・確実であるという保証」という意味。由来は江戸時代。甲州(山梨県)で作られていた金貨はふちに太鼓の皮留めの様な装飾を入れて金貨そのもの価値を保証していたと言われています。 この金貨の名前が「太鼓判」。ここから転じて「太鼓判を押す」=「人物や品物が確実に良い物であると保証すること」という意味で使われるようになったのです。「太鼓判を押す」。このように判子にちなんで「押す」と一緒に使われますよ。また、「折り紙を付ける」と同じように人や物に対して用いることができますよ。ぜひ、頭に入れておきましょうね。

\次のページで「「お墨付き」」を解説!/

「お墨付き」

「お墨付き(おすみつき)」とは「権力ある人や権限のある人の承諾や保証などのこと・それを記した文書」。時は室町時代。幕府の将軍や大名たちは家臣に与える領地を保証する公式文書に「花押(かおう)」を施していました。「花押(かおう)」とは墨で書かれた実印のようなもの。ここから由来して、「お墨付き(おすみつき)」=「権力ある人や権限のある人の承諾や保証」となったのです。

「折り紙を付ける」は「必ずしも権力や地位がある人とは限らない人」が「人や物」に対して使うことが特徴。一方、「お墨付き」は「権力・権威のある人」が「人」に対して使うことが特徴ですよ。使い方が異なっていますね。使い分けの秘訣は「権力の有無」。ポイントをおさえて正しく日本語を使いましょう。

「折り紙を付ける」の対義語は?

「折り紙を付ける」は「良い品質や優れた実力を保証できること」という意味でしたね。反対の意味となると「悪い評価が定着してるさま」が考えられるでしょう。では、このような言葉をご紹介しますね。

「札付き」

「札付き(ふだつき)」とは「定評のあること。特に、悪い評判が定着していること。また、その人」という意味。魔除けの御札 (おふだ) ・値札・百人一首などの札(ふだ)。札と聞いてどんな札を思い浮かべますか。札付きの「札」は江戸時代の戸籍帳である「人別帳(にんべつちょう)」に付けられた目印のことを示していますよ。

さかのぼること江戸時代。「連座制(れんざせい)」という誰かが罪を犯した場合、罪を犯した人とその家族や周辺に住む人たちも処罰の対象となるという制度が設けられていました。そのため、日頃から罪を犯しそうな要注意人物にはあらかじめ札を付ける習慣があったとされています。このように、「札を付けられた人」=「素行の悪い人物」だったことから「札付き」という言葉が生まれたのですよ。

「札付きのワル」という有名なセリフ。このように、形容動詞として用いる表現であり後ろには名詞が置かれますよ。札付きのワルがいない世の中になってほしいですね。

「折り紙を付ける」の英訳は?

image by iStockphoto

「折り紙を付ける」を英語ではどのように言い表すのでしょうか。キーワードとなる単語を使って、近い意味を示す英語表現を見ていきましょう。

「I guarantee ~」

「折り紙を付ける」は動詞の「guarantee」を使うと一番近い表現になるでしょう。「guarantee」とは「保証する」という意味。

例文1のように「I guarantee that~」と言って「that以下の内容を保証する」ということができますよ。評判がよくとても素晴らしい映画であることが伝わってきますよね。また、例文2のように受け身の形を使って「保証されている」と表現することもできるでしょう。that節・受け身。表現方法は違いますが、どちらも「折り紙を付ける」というニュアンスを伝えることができるでしょう。

1. I can guarantee that this movie will be great fun.

(私はこの映画がとても素晴らしいと保証できる。)

2.The quality is guaranteed.

(その品質は保証されている。)

\次のページで「「折り紙を付ける」を使いこなそう」を解説!/

「折り紙を付ける」を使いこなそう

この記事では「折り紙を付ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。「折り紙を付ける」・「太鼓判」・「お墨付き」・「札付き」。言葉の生い立ちには日本古来の文化や習慣が深く関係していましたね。言葉の由来を味わうことでより理解が深まり記憶にも残りやすくなるでしょう。

また、「折り紙を付ける」は褒め言葉。折り紙を付けてもらえると自分自身のモチベーションのアップからスキルアップへとつながりますよね。人生という長い旅路。折り紙を付けてもらえように日々邁進していきたいですね。

" /> 【慣用句】「折り紙を付ける」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説! – ページ 3 – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「折り紙を付ける」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

「お墨付き」

「お墨付き(おすみつき)」とは「権力ある人や権限のある人の承諾や保証などのこと・それを記した文書」。時は室町時代。幕府の将軍や大名たちは家臣に与える領地を保証する公式文書に「花押(かおう)」を施していました。「花押(かおう)」とは墨で書かれた実印のようなもの。ここから由来して、「お墨付き(おすみつき)」=「権力ある人や権限のある人の承諾や保証」となったのです。

「折り紙を付ける」は「必ずしも権力や地位がある人とは限らない人」が「人や物」に対して使うことが特徴。一方、「お墨付き」は「権力・権威のある人」が「人」に対して使うことが特徴ですよ。使い方が異なっていますね。使い分けの秘訣は「権力の有無」。ポイントをおさえて正しく日本語を使いましょう。

「折り紙を付ける」の対義語は?

「折り紙を付ける」は「良い品質や優れた実力を保証できること」という意味でしたね。反対の意味となると「悪い評価が定着してるさま」が考えられるでしょう。では、このような言葉をご紹介しますね。

「札付き」

「札付き(ふだつき)」とは「定評のあること。特に、悪い評判が定着していること。また、その人」という意味。魔除けの御札 (おふだ) ・値札・百人一首などの札(ふだ)。札と聞いてどんな札を思い浮かべますか。札付きの「札」は江戸時代の戸籍帳である「人別帳(にんべつちょう)」に付けられた目印のことを示していますよ。

さかのぼること江戸時代。「連座制(れんざせい)」という誰かが罪を犯した場合、罪を犯した人とその家族や周辺に住む人たちも処罰の対象となるという制度が設けられていました。そのため、日頃から罪を犯しそうな要注意人物にはあらかじめ札を付ける習慣があったとされています。このように、「札を付けられた人」=「素行の悪い人物」だったことから「札付き」という言葉が生まれたのですよ。

「札付きのワル」という有名なセリフ。このように、形容動詞として用いる表現であり後ろには名詞が置かれますよ。札付きのワルがいない世の中になってほしいですね。

「折り紙を付ける」の英訳は?

image by iStockphoto

「折り紙を付ける」を英語ではどのように言い表すのでしょうか。キーワードとなる単語を使って、近い意味を示す英語表現を見ていきましょう。

「I guarantee ~」

「折り紙を付ける」は動詞の「guarantee」を使うと一番近い表現になるでしょう。「guarantee」とは「保証する」という意味。

例文1のように「I guarantee that~」と言って「that以下の内容を保証する」ということができますよ。評判がよくとても素晴らしい映画であることが伝わってきますよね。また、例文2のように受け身の形を使って「保証されている」と表現することもできるでしょう。that節・受け身。表現方法は違いますが、どちらも「折り紙を付ける」というニュアンスを伝えることができるでしょう。

1. I can guarantee that this movie will be great fun.

(私はこの映画がとても素晴らしいと保証できる。)

2.The quality is guaranteed.

(その品質は保証されている。)

\次のページで「「折り紙を付ける」を使いこなそう」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: