「お墨付き」
「お墨付き(おすみつき)」とは「権力ある人や権限のある人の承諾や保証などのこと・それを記した文書」。時は室町時代。幕府の将軍や大名たちは家臣に与える領地を保証する公式文書に「花押(かおう)」を施していました。「花押(かおう)」とは墨で書かれた実印のようなもの。ここから由来して、「お墨付き(おすみつき)」=「権力ある人や権限のある人の承諾や保証」となったのです。
「折り紙を付ける」は「必ずしも権力や地位がある人とは限らない人」が「人や物」に対して使うことが特徴。一方、「お墨付き」は「権力・権威のある人」が「人」に対して使うことが特徴ですよ。使い方が異なっていますね。使い分けの秘訣は「権力の有無」。ポイントをおさえて正しく日本語を使いましょう。
「折り紙を付ける」の対義語は?
「折り紙を付ける」は「良い品質や優れた実力を保証できること」という意味でしたね。反対の意味となると「悪い評価が定着してるさま」が考えられるでしょう。では、このような言葉をご紹介しますね。
「札付き」
「札付き(ふだつき)」とは「定評のあること。特に、悪い評判が定着していること。また、その人」という意味。魔除けの御札 (おふだ) ・値札・百人一首などの札(ふだ)。札と聞いてどんな札を思い浮かべますか。札付きの「札」は江戸時代の戸籍帳である「人別帳(にんべつちょう)」に付けられた目印のことを示していますよ。
さかのぼること江戸時代。「連座制(れんざせい)」という誰かが罪を犯した場合、罪を犯した人とその家族や周辺に住む人たちも処罰の対象となるという制度が設けられていました。そのため、日頃から罪を犯しそうな要注意人物にはあらかじめ札を付ける習慣があったとされています。このように、「札を付けられた人」=「素行の悪い人物」だったことから「札付き」という言葉が生まれたのですよ。
「札付きのワル」という有名なセリフ。このように、形容動詞として用いる表現であり後ろには名詞が置かれますよ。札付きのワルがいない世の中になってほしいですね。
「折り紙を付ける」の英訳は?
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「折り紙を付ける」を英語ではどのように言い表すのでしょうか。キーワードとなる単語を使って、近い意味を示す英語表現を見ていきましょう。
「I guarantee ~」
「折り紙を付ける」は動詞の「guarantee」を使うと一番近い表現になるでしょう。「guarantee」とは「保証する」という意味。
例文1のように「I guarantee that~」と言って「that以下の内容を保証する」ということができますよ。評判がよくとても素晴らしい映画であることが伝わってきますよね。また、例文2のように受け身の形を使って「保証されている」と表現することもできるでしょう。that節・受け身。表現方法は違いますが、どちらも「折り紙を付ける」というニュアンスを伝えることができるでしょう。
1. I can guarantee that this movie will be great fun.
(私はこの映画がとても素晴らしいと保証できる。)
2.The quality is guaranteed.
(その品質は保証されている。)
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