
この「ちゃちゃを入れる」というのは、「話の途中に割り込んで妨害する」という意味の慣用句です。院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき
ロシアの大学で働いている日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。
「ちゃちゃを入れる」の意味や使い方は?

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「ちゃちゃを入れる」という言葉、聞き覚えがあるようなないような…といった人が多いかもしれません。意味や使い方を把握しておくと、なかなか活用の場がある表現ですよ。まずは、その「ちゃちゃを入れる」の意味や使い方を確認していきましょう。
「ちゃちゃを入れる」の意味は「話の途中に割り込んで妨害する」
最初に「ちゃちゃを入れる」の辞書での意味を確認していきましょう。「ちゃちゃを入れる」は「茶々(ちゃちゃ)」の形で辞書に掲載されていることが多いです。よって、「茶々」の意味をここでは確認していきましょう。
人の話の途中に割り込んで言う、ひやかし。わきから言う冗談。
「―を入れる。」
出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「ちゃ‐ちゃ【茶々】」
「茶々(ちゃちゃ)」は「人の話の途中に割り込んで言う、ひやかし。わきから言う冗談」という意味でしたね。よって「ちゃちゃを入れる(茶々を入れる)」は「他人の話の途中に割り込んで妨害する」という意味になります。何かを主張している際に、横から関係のない冗談を言ったりヤジを飛ばしたりすることなどを「ちゃちゃを入れる」と表現が可能です。
「ちゃちゃを入れる」の語源は?淀殿との関係は?
つづいて、「ちゃちゃを入れる」の語源について確認していきましょう。まず歴史の知識がある人が気になるのは、お市の方と浅井長政の娘であり、のちに豊臣秀吉の妻となった淀殿(別名・茶々)のとこの言葉の関係だと思います。同じ「茶々」であるため関係があるのでは…と考えた人もいらっしゃるかもしれませんね。ただ、この言葉は淀殿とは関係はありません。
また、語源については諸説ありますが、本当の語源というのはよく分かっていないようです。「お茶」が語源であるとも「邪邪」が元になっているとも言われていますが、はっきりはしていません。
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「ちゃちゃを入れる」の使い方を例文とともに確認!
次に、「ちゃちゃを入れる」の使い方を確認していきましょう。ここでは3つの例文とともに使い方やニュアンスを確認していきます。では、例文を見てみましょう。
1.A君は他の生徒の発表中にすぐにちゃちゃを入れるので、生徒たちからも先生からも嫌われている。
2.大事な話の最中にちゃちゃを入れないでくれ。今はこの部屋に入らないでほしい。
3.大事なプレゼンの最中に嫌いな上司からちゃちゃを入れられ、とても腹が立った。
例文1では、「A君は他の生徒の発表中にすぐに発表の邪魔をするような発言をする」という意味で「ちゃちゃを入れる」が使用されています。一生懸命発表している時に冷やかされたり関係のないことを言われたりしたら、とても嫌ですよね。
例文2では、「大事な話の最中に邪魔な発言をしないでくれ」という意味で「ちゃちゃを入れる」が使用されています。大事な話をしている最中に関係のない話をねじ込まれたら、迷惑ですよね。
例文3では、「大事なプレゼンの最中に上司から冷やかされた」という意味で「ちゃちゃを入れる」が使用されています。発表やプレゼンについて何か突っ込みたくなっても、我慢するのが目上の人の優しさというものでしょう。冷やかしは論外ですが。
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