理科生物

3分で簡単「血清療法」北里柴三郎の功績や応用療法まで医学系研究アシスタントがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。「血清療法」という言葉を聞いてすぐに何であるかを想像することができる人は少ないだろう。そもそも「血清」は聞いたことあるが「血清」とは何か。ヘビなどに咬まれたときの治療法で聞いたことはあると思うが、「血清」とは意味が深い。ヘビに咬まれたときなどのように、特定の人のみが関係するものではないのだ。血清療法は感染症の根絶にも大いに貢献しているから注目だな。「血清療法」について医学系研究アシスタントのライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/mimosa

もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

血清とは

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まず、血清療法について理解する前に「血清」について理解しておきましょうね。血清とは、血液が固まるときに分離する黄色・透明の液体であり、免疫抗体を含むものですよ。免疫については他の記事でも説明していますが、こちらでも抗体について説明しますね。血清療法を学ぶ上で、免疫とは何かということを理解しておく必要がありますよ。

血清の正体、免疫

血清の正体、免疫

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免疫とは、「疫(はやり病)」から「免れる」と書くように、伝染病などからのがれることを意味する言葉ですよ。はしかなど、一度罹るとほとんどの人はその伝染病に罹らなくなりますよね。このことを「免疫ができた」とも言いますね。

この免疫システムは、自然に備わった生体防御システムであり、体内に侵入した細菌やウイルスなどを異物として攻撃することで、自分の身体を正常に保っているのですよ。抗体が中心で働く免疫は液性免疫、免疫を担う細胞や物質が中心になる免疫は、細胞性免疫と呼ばれていますよ。

抗原と抗体

抗原と抗体

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免疫についておおまかに触れたところで、次は「抗原」と「抗体」について説明しますね。

抗原は病原性のウイルスや細菌、毒素、花粉、そば、たまごなどの生体に免疫応答を引き起こす物質で、抗体は、体内に入った抗原を体外へ排除するためにつくられる免疫グロブリンというタンパク質の総称です。免疫グロブリンの他にも、血漿中のγ(ガンマ)‐グロブリン、Ig(アイジー)とも言われます。特定のタンパク質などの分子(抗原)を認識して、排除する働きを担いますよ。抗体は主に血液中や体液中に存在しますよ。抗体と抗原は免疫系では重要な語句になってくるので、整理しておきましょうね。

血清療法の確立

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今から100年以上前の19世紀では、ヨーロッパが世界の中でも先進国でした。そんな技術も経済も発達した先進国のヨーロッパでさえ、感染症は人々にとっては脅威だったのです。今ではほとんど聞かれなくなった「破傷風」

原因は破傷風菌という菌なのですが、熱湯や消毒薬が効きません。土壌の中に破傷風菌がいて、そこで怪我したら、傷口から感染し、全身のけいれん、呼吸困難、脳炎を起こし、死に至ることもある恐ろしい病気です。新生児を含む多くの人々の命を危険にさらし、奪う。「救いたい命があるのに、治療法がない。」そんな中、世界で初めて破傷風の治療法を確立したのは日本人なのですよ。

\次のページで「北里柴三郎先生の研究」を解説!/

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