
「意に介さず」
もう一つの類義語には、「意に介さず(いにかいさず)」があります。気に留めない、相手にしないといった意味です。「意」には気持ちや考えという意味があり、気にするという意味の「介する」の否定「介さず」とあわせて、気に留めないという意味につながっています。
「意に介さず」は、周りからの批評や評判などを対象として言うことが多くなっていますよ。例えば、「何を言われても、意に介さずにことをすすめる」といった使い方です。
「物ともせず」の対義語は?
次に、「物ともせず」の対義語についての説明です。何かが気になって仕方がないような意味合いの表現について、一緒に見ていきましょう。
「気が気でない」
「物ともせず」の対義語には、「気が気でない(きがきでない)」があります。意味は、気がかりで落ち着かないことです。外と自分との関係を理解するような「意識」の部分という意味合いがあり、いつもの状態ではないことを表しています。
状況としては、気になることが頭から離れないようすのことです。例えば、「今日は休みだが、部下がうまく仕事をすすめているか気が気でない」といった使い方があります。
「怖気づく」
もう一つの対義語には、「怖気づく(おじけづく)」があります。恐ろしいという気持ちになったり、恐怖心からひるむという意味です。「怖気」は「おじけ」や「おぞけ」とも読み、恐ろしく気味悪く思う気持ちのことを表しています。
恐怖心や不安を気にしないという意味の「物ともせず」とは、反対の意味になっていますよ。「不安な気持ちに怖気づいて、海外留学に行きたくなくなってきた」などの使い方があります。
「物ともせず」の英訳は?

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最後に、「物ともせず」の英訳についての説明です。もとの意味に関連するキーワードとなるような単語を使った英語表現について、一緒に見ていきましょう。
「in the face of」
「物ともせず」の英訳には、「in the face of」があります。もともとは「…に直面する」という意味ですが、直面しながらも実行していくというニュアンスから「…を物ともせずに」「…にもかかわらず」といった意味合いももつ表現です。
その他、「in defiance of」としても、「…を物ともせずに」という意味で使うことができます。「…を無視して」「気にもとめないで」といったニュアンスがありますよ。
いずれの表現も文法的には副詞句に分類され、名詞ではなく動詞にかかる表現となっています。
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