
「物ともせず」の使い方・例文
「物ともせず」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.彼女は周囲の反対を物ともせずに結婚したが、その後女の子を出産し、半年前には女優業に復帰し活躍中だ。
2.国際交流と支援の目的でカンボジアを訪れたが、現地の子どもたちが決して環境のよくない中で身の危険や病気への不安を物ともせず教師の教えを守るようすに心を動かされた。
3.この病院のフィリピン出身の看護師は、大学卒業前から日本語を勉強しており、言葉の壁を物ともしなかったらしい。
例文では、「物ともせず」を問題にしないという意味合いで使っています。実際には大変なことでありながら、大きな目標や困難を伴うことをやり遂げることを考えると些細なことであるということです。
例文1.では、一緒になりたい人と結ばれるためには、周囲の反対は気にならなかったということを表しています。例文の2.では、現地の子どもたちが、さまざまな困難がありながら成長したいという想いが伝わる文です。例文3.のほうは、日本で活躍しているフィリピン出身の看護師は、早くから語学に励んだ結果、言葉の壁に障害はなかったということが書かれています。
「物ともせず」の類義語は?違いは?

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それでは、「物ともせず」の類義語についての説明です。ほぼ同じような意味を表す慣用句について、一緒に詳しく見ていきましょう。
「歯牙にも掛けない」
「物ともせず」の類義語には、「歯牙にも掛けない(しがにもかけない)」があります。意味は、全く問題にないことや無視して相手にしないことです。歯や牙にかけることがない、つまり、口にするまでもないということから、相手にしないという意味につながっています。
表面的な意味は「物ともせず」と同じように見えますが、「物ともせず」は困難なことにも簡単に乗り越えるというニュアンスがあるのに対し、「歯牙にも掛けない」のほうは取り合わないということで実行すらしないという意味で使うことが多くなっていますよ。
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