
端的に言えば道草を食うの意味は「目的地へ行く途中で他のことに時間を費やす。途中で手間取る。」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
本の虫ライターのジュリアン。ソレルを呼んです。一緒に「道草を食う」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ジュリアン・ソレル
本の虫ライター。多い時だと月間50冊読破する。漢字や熟語、ことわざ、故事が好き。正確でロジカルな文章での解説を心がける。
今回は、慣用句「道草を食う」をベースに、類語の「油を売る」や対義語の「一心不乱」などを意味や語源から例文、また英訳までみっちり解説。
「道草を食う」の意味は?
「道草を食う」には、次のような意味があります。
1.目的地へ行く途中で他のことに時間を費やす。途中で手間取る。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「道草を食う」
「道草を食う」とは「途中で他のことに手間取り、時間を費やすこと」。また単に「道草」、「道くさ」といわれることも。
引用の辞書の意味や以下の語源からも分かるように、もともとは「どこかへ向かう」という本来の目的の途中で他の用事に手間取り、時間を費やしてしまうことでしたが、現代では「どこかへ向かう」に限らず、広くさまざまな目的の途中に他のことにかかずらう場合に使われることもあります。
「道草を食う」の語源は?
次に「道草を食う」の語源を確認しておきましょう。
語源は「馬が道端の草を食べてばかりで、先に進もうとしないこと」です。つまり「道草」とは単に「道端の草」であり、目的地へ向かう主人を乗せた「馬が」を道草を食うために時間がかかってしまうということ。
現在ではあまりない状況ですが、この言葉は鎌倉時代の幕府の事績を記した史書「吾妻鏡(あずまかがみ)」においてその使用がすでに見られるようです。
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