「おいそれと」の使い方・例文
「おいそれと」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・図書委員の僕は相手に要求することが苦手で、延滞利用者への督促を依頼されたものの、気持ちが乗らず、おいそれと返事ができなかった。
・ドライバーがドライブウェーでうっかり飲酒してしまって運転を替われと言われたが、運転感覚ゼロの私は、おいそれとは引き受けられなかった
・いつも無茶な要求をするオーナーだが、金土日全て返上してメニューとサービスを新しくしろなんて、今回ばかりはおいそれと応じるわけにはいかない。
「すぐに返事をする、引き受ける(ことができない)」という意味合いが伝わりますでしょうか。
肯定形で「好きな子に頼まれたので、僕はおいそれと引き受けた」という使い方も可能ですが、否定形での使用に慣れている人は違和感を覚えるかもしれませんね。
否定形の場合は「おいそれとは~できない」と、強調的に使うことも多くあります。「慎重にならなければ」という自分への戒めや、「無茶なことを言って」とか「そんなの絶対できない」という相手に対するいら立ちや無力感も読み取れるかもしれません。
人の感情が表れるポイントのため、文章問題で登場した場合は注意して読み取りましょう。
「おいそれと」の類義語は?違いは?
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「おいそれと」の類義語は「簡単に」「軽率に」がありますが、言い換えとしてはそのままですので、ここでは一般的な否定形の使い方「おいそれと~ない」の類義語として「一筋縄ではいかない」をご紹介します。
「一筋縄ではいかない」
「一筋縄ではいかない」は「普通の方法や当たり前の手段では解決できない、答えられない」という意味の慣用表現です。
「おいそれと」と同じく、出来ないということを強調する言葉ですが、「あまり考えることなく」というニュアンスはなく「その問題が難しくて太刀打ちできない」という意味に寄っています。たとえば、「おいそれと答えられない」は、相手の要求が無茶だったり自分が慎重だったりを意味し、「一筋縄では答えられない」なら、問題が厄介だ、ということになるでしょう。
このように、言葉の違いからその背景も読み取ることができます。
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