この記事では「筆が立つ」について解説する。

端的に言えば「筆が立つ」の意味は「文章力が優れているさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「筆が立つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「筆が立つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「筆が立つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「筆が立つ」の意味は?

「筆が立つ」には、次のような意味があります。辞典などで正確な意味を確認し、内容を詳しく見ていきましょう。

1.文章が上手である。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「筆が立つ」

「筆が立つ」とは「文章を書くのが上手である」という意味。近年、文章を書く機会がめっきり減っていますよね。お礼の手紙やはがきがメールやSNSアプリという新しいコンテンツに置き換わっていくという時代の流れなのでしょう。

このような時代に、仕事でのプレゼンテーションの原稿。学校での作文や学校新聞。人を惹きつけるようなキラリと光る文章を書く「筆が立つ」人はとても尊敬されるのではないでしょうか。

また、「筆が立つ」は「文章を書くのが上手であること」であり、「文字が美しく・上手であること」という意味はないのです。注意しましょう。

「筆が立つ」の語源は?

次に「筆が立つ」の語源を確認しておきましょう。「筆」と聞くとお正月に書き初めをする時や習字で使う筆を思い浮かべませんか。墨で書いた文字には深みがあって素敵ですよね。

「筆が立つ」の「筆」は「文章を書くこと・筆記具で文を書くこと」。「立つ」にはたくさんの意味がありますが、ここでは「きわめて技能が優れているさま」という意味で使われていますよ。つまり、「筆が立つ」=「巧みに文章を書くことができる」と言えますね。

\次のページで「「筆が立つ」の使い方・例文」を解説!/

「筆が立つ」の使い方・例文

「筆が立つ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.入社3年目の後輩は筆が立つので、社内報の編集を担当し続けている。
2.彼は筆が立つ彼女に、結婚パーティーに必要な招待状の作成をお願いした。
3.父は筆が立つ。その証として、新聞社主催の作文コンクールに応募し何度も入賞している。

3つの例文全てから、「文章を書くことに秀でており、能力を高く評価されている様子」を感じられるのではないでしょうか。また、1の例文は会社の上司・2の例文は家族からの評価が高いですよね。文章を書くことが上手であるためものごとを任せても大丈夫だという「安心・信頼」も伺えますよね。

「筆が立つ」は例文のように日常生活で大活躍する慣用句なのです。言葉のレパートリーが増すと、会話表現が豊かになりますよ。ぜひ、日常会話の中で使ってみて下さいね。

「筆が立つ」の類義語は?違いは?

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「筆が立つ」の類義語にはどのような言葉があるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「達筆」

「筆が立つ」の類義語には「達筆(たっぴつ)」が考えられるでしょう。「達筆」とは「巧みに文字や文章を書くこと」や「文字がきれい」という意味。

「筆が立つ」は「文章が上手である」という意味でしたね。達筆は「文章が優れている」という意味の他に「文字そのものが美しい」という意味もあることが特徴。書道家が作り出す、美しく・勢いのある芸術作品をイメージするとわかりやすいでしょう。文字と文章の両方を美しく。これを目標として筆を執ってみるのもよいでしょう。

\次のページで「「筆が立つ」の対義語は?」を解説!/

「筆が立つ」の対義語は?

「筆が立つ」は「文章を書くことが上手なさま」という意味でしたね。対義語となると「つたない文章」が考えられるでしょう。では、このような言葉を紹介しますね。

「拙文」

「拙文(せつぶん)」とは「下手な文章・つたない文章」という意味です。これは、ビジネスの場面で多くみられる言葉。書き記した手紙や文章をへりくだり、相手に対して控え目な態度を取る際に使われます。

1と2の例文はビジネスの場面。挨拶やプレゼンテーションの資料がつたないもので申し訳ないという「謙遜」や「控えめなさま」が伺えますでしょうか。

よく見るとレベルの高い挨拶や資料であることも多いのです。謙遜を美徳とする日本の文化が感じられる言葉ですね。

1.拙文にて恐縮ですが、ご不明の点がございましたらお申し付けください。

2.拙文のためお伝えできたのか心配ですが、最後までお聞きいただき感謝申し上げます。

「筆が立つ」の英訳は?

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「筆が立つ」を英語で表現するにはどのような単語を使うのでしょうか。詳しく解説しますね。

「You are a good writer.」

「筆が立つ」は「You are a good writer.」と英訳できるでしょう。とてもシンプルな表現ですよね。「writer」は「書き手・執筆者」。「good」は「ものごとの質が良い・優れている」という意味。「あなたは優れている書き手です。」=「筆が立つ」という意味になりますよね。

「good」の代わりに 「skillful」=「熟練した」という形容詞を使ってさらにレベルアップした表現も良いかもしれませんね。

「You write well」

「筆が立つ」は「You write well.」と英訳しても良いでしょう。先ほど紹介した「You are a good writer.」は「writerという名詞」・「goodという形容詞」を使用しましたね。こちらの英訳では「write=書くという動詞」・「well=十分に・よくという副詞」を用いて「筆が立つ」を表現していますよ。

どちらの英訳も比較的馴染みのある英単語で構成されいますよね。お好きな英訳で表現してみてましょう。

\次のページで「「筆が立つ」を使いこなそう」を解説!/

1.取り急ぎ乱文にて失礼致します。

2.せっかくのお返事に乱筆乱文で失礼致します。

「筆が立つ」を使いこなそう

この記事では「筆が立つ」の意味・使い方・類語などを説明しました。教科書・新聞・手紙。私たちの生活の中で文章を読む機会は多くありますが、文章を書くことは少なくなっているのではないでしょうか。

文字や文章は人の心を表すもの。相手のことを思いながら書く。相手がどんな人であるのか想像しながら読む。読み書きはあなたの感受性や想像力を豊かにしてくれるでしょう。

また、文を書く機会があるならば美しい日本語・美しい文字を意識して筆を執ってみませんか。思いを込めた文。きっと読み手の心に響くでしょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「筆が立つ」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「筆が立つ」について解説する。

端的に言えば「筆が立つ」の意味は「文章力が優れているさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「筆が立つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「筆が立つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「筆が立つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「筆が立つ」の意味は?

「筆が立つ」には、次のような意味があります。辞典などで正確な意味を確認し、内容を詳しく見ていきましょう。

1.文章が上手である。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「筆が立つ」

「筆が立つ」とは「文章を書くのが上手である」という意味。近年、文章を書く機会がめっきり減っていますよね。お礼の手紙やはがきがメールやSNSアプリという新しいコンテンツに置き換わっていくという時代の流れなのでしょう。

このような時代に、仕事でのプレゼンテーションの原稿。学校での作文や学校新聞。人を惹きつけるようなキラリと光る文章を書く「筆が立つ」人はとても尊敬されるのではないでしょうか。

また、「筆が立つ」は「文章を書くのが上手であること」であり、「文字が美しく・上手であること」という意味はないのです。注意しましょう。

「筆が立つ」の語源は?

次に「筆が立つ」の語源を確認しておきましょう。「筆」と聞くとお正月に書き初めをする時や習字で使う筆を思い浮かべませんか。墨で書いた文字には深みがあって素敵ですよね。

「筆が立つ」の「筆」は「文章を書くこと・筆記具で文を書くこと」。「立つ」にはたくさんの意味がありますが、ここでは「きわめて技能が優れているさま」という意味で使われていますよ。つまり、「筆が立つ」=「巧みに文章を書くことができる」と言えますね。

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