この記事では「小股の切れ上がった」について解説する。

端的に言えば小股の切れ上がったの意味は「きりりとして小粋な女性」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

本の虫ライターのジュリアン・ソレルを呼んです。一緒に「小股の切れ上がった」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ジュリアン・ソレル

本の虫ライター。多い時だと月間50冊読破する。漢字や熟語、ことわざ、故事が好き。正確でロジカルな文章での解説を心がける。

今回は、慣用句「小股の切れ上がった」をベースに、類語の「あだっぽい」や「渋皮のむけた」などを、意味や語源から例文まで、みっちり解説。

「小股の切れ上がった」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「小股の切れ上がった」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「小股の切れ上がった」の意味は?

「小股の切れ上がった」には、次のような意味があります。

1.きりりとして小粋な女性の形容。多く「小股の切れ上がった」の形で用いる

出典:大辞林 第三版(三省堂)「小股が切れ上がる」

1.女性の足がすらりと長く、いきな姿を表す言葉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「小股が切れ上がる」

大辞林によると「きりりとして小粋な女性の形容」とありますが、デジタル大辞泉では「足がすらりと長く、いきな姿」とあるように、女性の容姿に関する意味があり、一般にも外見を称える言葉として使われます。そして両者に共通するのは「粋(いき)な」という形容詞。「粋」とは、「人情や趣味に通じ、あか抜けた色気のただよう身のこなし、様子」という意味です。

また「小股の切れ上がった」は、引用した辞書によると「女性の〜」となっていますが、かつては、「粋な(足のすらりと長い)」男性に対しても使われたといわれており、現在でもまれにその使用例が見られます。

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「小股の切れ上がった」の語源は?

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次に「小股の切れ上がった」の語源を確認しておきましょう。

「小股の切れ上がった」は江戸時代によく使われた言葉であったといわれますが、その「小股」とは何かについて正確なところは分かっていません

有力な説は、「小腹がすいた」や「小耳にはさむ」というように、「小」は「すこし、ちょっと」などを意味し、単に股の切れ上がった、つまり「腰の位置が高い」、「脚が長い」という解釈のものです。

他にも、和装の足袋における親指とその他の指の間の「小股」に由来すると言う説や、生え際が二股になっていることから「うなじ」の部分を指す、など諸説あります。

また作家の吉行淳之介の説によると、経験の浅い芸者は女らしさを装うために小股で歩くがわざとらしく、しかし修行を積んだ芸者は小股で女らしく、しかも颯爽と粋に歩けることから、小股で「すっすっと足が出るようになり、しかも色気と品を兼ね備えた歩き方ができるようになったとき、小股が切れ上がったと称する」ということです。

「小股の切れ上がった」の使い方・例文

「小股の切れ上がった」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.彼の妻は、彼とほとんど同じ背丈で、八頭身の「小股のきれあがった」綺麗な人だ。
2.すらりとして粋で、同時にキビキビした、「小股の切れ上がった」江戸っ子美人。
3.その容姿は首が抜け出たように長く、胴が短く足が長く、腰は細くて「小股が切れ上がった」スタイルだ。
4.馴染みの酒場へ颯爽とした足取りで踏み込んでいく彼は、「小股の切れ上がった」一人前の男だ。

例文1.や2.でも見られるように、主に女性の容姿を称えた言葉ですが、例文4.のように、男性の粋で颯爽とした様子をあらわす言葉として使われる例も見られます。

「小股の切れ上がった」の類義語は?違いは?

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次に「小股の切れ上がった」の類義語を見ていきましょう。

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「あだっぽい」

漢字では「婀娜っぽい」や「仇っぽい」と書くこの言葉。意味は「女性の容姿や身のこなしが、なまめかしく、美しい。色っぽい。」です。

女性の容姿や、身のこなしを称える意味では「小股の切れ上がった」と近いものがあります。またかつては「小股の切れ上がった」に見られるように「粋(いき)」な感じを意味することもあったようです。

この「婀娜っぽい」の「婀(あ)」と「娜(だ/な)」という漢字はともに「女性の美しい姿」をあらわします。また女性のことさす「おなご」という言葉は「婀娜子」という字に由来。

例文を見てみましょう。

1.彼女の、美しいというよりは「あだっぽい」魅力が評価されている。
2.最初に想像していたよりも「あだっぽい」浴衣姿であった。
3.あの歳にして「あだっぽ」さを身につけているとは、末恐ろしい可能性を秘めている。

「渋皮のむけた」

田舎くささが抜けて、都会風になる。洗練される。あか抜けして美しくなる。」 や「 堅苦しいところがとれて、世慣れてくる。また、物事に慣れて巧みになる。」を意味する「渋皮が剥ける」。この渋皮のむけた女性は、「あか抜けていて、粋な女性」という意味では「小股の切れ上がった」に近いものがあります。

 

この「渋皮」とは、栗の硬い皮の内側にある、タンニンを含んだ苦く渋い薄皮をさし、その見た目にも良くない渋皮をむいて、綺麗にするということから生まれた表現です。
それでは例文を見てみましょう。

1.彼は、教養があり経験も豊富な、「渋皮のむけた」女性が好みだ。
2.あのあか抜けた身のこなしや、流行にも振りまわされない風格は、「渋皮のむけた」大人の証拠だ。
3.事あるごとに慌てふためいていては「渋皮のむけた」人とは言えない。

「柳腰」

柳のように、細くてしなやかな腰」、「細腰の美人」を意味する「柳腰(やなぎごし/りゅうよう)」。この言葉も、女性の容姿を称え、すらっとした足腰という観点、またその言葉自体が「美人」を意味するという点でも「小股の切れ上がった」に近いものがあります。

またこの他にも「柳」は美人の例えとして多く使われおり、美人の細っそりした顔つきをさす「柳顔(やなぎがお)」、柳のように細くて美しい眉をさす「柳眉(りゅうび)」、長くて美しい髪の毛をさす「柳髪(やなぎがみ)」といった言葉です。

四字熟語の「花顔柳腰(かがんりゅうよう)」は「花の様に美しい顔、柳のように細くしなやかな腰の美人」を意味します。

それでは「柳腰」の例文を見ていきましょう。

1.まだ名前も知らない彼女の、柳の枝のように細くしなやかな「柳腰」に見惚れてしまう。
2.あの国際的に活躍する女優の魅力的な「柳腰」は生まれつきのものであるという。
3.不規則な生活と乱れた食生活で、かつての「柳腰」は見る影もない。

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「小股の切れ上がった」を使いこなそう

この記事では「小股の切れ上がった」の意味・使い方・類語などを説明しました。

言葉の意味だけではなく、語源や関連する言葉まで紐づけてみていくと、より理解が深まり、語彙力が上がり、記憶にも残りやすくなるでしょう。

ご紹介した言葉をむやみに乱用することは少しはばかられますが、「渋皮のむけた」人間になれるよう、上手に「粋に」使いこなしてみてください!

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国語言葉の意味

【慣用句】「小股の切れ上がった」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「小股の切れ上がった」の語源は?

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次に「小股の切れ上がった」の語源を確認しておきましょう。

「小股の切れ上がった」は江戸時代によく使われた言葉であったといわれますが、その「小股」とは何かについて正確なところは分かっていません

有力な説は、「小腹がすいた」や「小耳にはさむ」というように、「小」は「すこし、ちょっと」などを意味し、単に股の切れ上がった、つまり「腰の位置が高い」、「脚が長い」という解釈のものです。

他にも、和装の足袋における親指とその他の指の間の「小股」に由来すると言う説や、生え際が二股になっていることから「うなじ」の部分を指す、など諸説あります。

また作家の吉行淳之介の説によると、経験の浅い芸者は女らしさを装うために小股で歩くがわざとらしく、しかし修行を積んだ芸者は小股で女らしく、しかも颯爽と粋に歩けることから、小股で「すっすっと足が出るようになり、しかも色気と品を兼ね備えた歩き方ができるようになったとき、小股が切れ上がったと称する」ということです。

「小股の切れ上がった」の使い方・例文

「小股の切れ上がった」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.彼の妻は、彼とほとんど同じ背丈で、八頭身の「小股のきれあがった」綺麗な人だ。
2.すらりとして粋で、同時にキビキビした、「小股の切れ上がった」江戸っ子美人。
3.その容姿は首が抜け出たように長く、胴が短く足が長く、腰は細くて「小股が切れ上がった」スタイルだ。
4.馴染みの酒場へ颯爽とした足取りで踏み込んでいく彼は、「小股の切れ上がった」一人前の男だ。

例文1.や2.でも見られるように、主に女性の容姿を称えた言葉ですが、例文4.のように、男性の粋で颯爽とした様子をあらわす言葉として使われる例も見られます。

「小股の切れ上がった」の類義語は?違いは?

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次に「小股の切れ上がった」の類義語を見ていきましょう。

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