
「旅の恥はかき捨て」の語源は?
次に「旅の恥はかき捨て」の語源を確認しておきましょう。
この言葉が初めて使われたのは、江戸時代の滑稽本「箱根草」と言われています。当時の町人の様子を会話中心に生き生きと描いた滑稽本の作者では、十返舎一九や式亭三馬が有名ですね。「箱根草」は私も読んだことはありませんが、弘化年間(1844~1847年)に書かれた箱根紀行。今でいう旅行記のブログのようなものではないでしょうか。ここに、旅に出て開放的な気分に浸る様子が書かれています。
「旅の恥はかき捨て」の使い方・例文
「旅の恥はかき捨て」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・カンボジア旅行のグループ客は終始騒々しく、旅の恥はかき捨てを地でいくようなものだった。
・おいおい、旅の恥はかき捨てと思ってるなら大間違いだよ。環境にも悪いし、ごみのポイ捨てなんてやめなさい。
このように、旅先での厚顔無恥な行動を非難するときに使われることがほとんどといってもいいように感じます。
旅行したときに行いがちな恥ずかしい行為といえば、場違いなところで騒ぐ、タバコのポイ捨てなどのマナー面、さらにはホテル備え付けの備品の持ち帰りなどいろいろと思い浮かびますね。最近では、某外国からの団体客の宿泊後はホテルの部屋にある湯沸かしポットや、なんとズボンプレッサーまで持ち帰る人もいたとか。
国内海外を問わず、コミュニティ内部の楽しさを優先させずに旅先の地域の事情も考え、自分の良心と相談して恥ずかしくないような行動をいつも心がけたいものですね。
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