1. あの人はうわさ話が好きで口が軽いから恋愛の相談はしないほうがいいよ。
2. 隣の部署の主任は口が軽くて有名だから先輩も言動には気をつけてくださいね。
3. 彼女は口の軽さから誰にも信用されていない。
4. 私が塾をさぼったことを母に告げ口したのは口の軽い弟だった。
例文のように褒め言葉はありませんが、おしゃべりな人は悪気がないのに内緒にしておいてほしい話を誰かに話してしまうもの。口が軽い人は交友関係も広く、話のネタも豊富で友達も口の軽い噂好きの人が多いです。あっと言う間に内緒話は広まり、ターゲットになった人は迷惑をかけられます。また口が軽い人は話し上手だけではなく聞き上手で相手の本音を引き出すテクニックにも長けていますので、話をしている側はついつい本音をぽろりと話してしまい後でしまった!と思ってしまいます。
口の軽い人は例文3のように人の信用も失いがちです。口の軽い人は自分が注目されたいと常に思っていますが自分に自信がないため、自分が標的にならないように人のうわさ話で周囲の気を引いています。しかし本人は悪気がないことが多く、おしゃべりだという自覚がありません。このような人にはあいさつをする程度の付き合いで、絶対に自分の話をしないという心構えで対処したいですね。
例文4のようにお調子者的なキャラクターを表現するときにも使いますが、このときは相手を批判するというよりはからかいの意味を込めている場合です。
「口が滑る」
「口が滑る」とは、言ってはならないこと、言う必要のないことををうっかり言ってしまうことです。「口が軽い」とほぼ同じですが、ついうっかり言ってしまったというのが「口が滑る」になります。どちらも他人に対する配慮が足りない印象です。「舌が滑る」または「口を滑らす」という言い方もあります。
「口さがない」
「口さがない」は他人のことを遠慮もなくあれこれと言いふらすさま、無遠慮に他人のことを批評するさまです。「口が軽い」は言ってはいけないことを言ってしまう性質という意味ですが、「口さがない」は批評やうわさをする様子に遠慮がなく、慎みがないという状態を表しています。本人の居ないところで言いたいことをズケズケ言って批判する人がいますが、まさにそれですね。
「口が軽い」は性質を表しますが、「口さがない」は状態を表す言葉で意味も違いますので、間違いのないように使いましょう。
\次のページで「「口が軽い」の対義語は?」を解説!/