今回の記事では、順接を表す主な接続詞(だから・そのため・それで・それでは・それなら)の意味と使い方を翻訳経験のある現役ライターの筆者が解説していきます。

接続詞とは

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まず、接続詞の説明からしていきましょう。

接続詞とは、自立語で活用がなく、文や文節をつなぐ働きのある単語のことです。一般的に、接続詞がなくても前と後ろの文章の意味は通じます。

順接、逆接、並列など、接続詞の種類はさまざまです。

順接とは

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順接とは、二つの文(または文節)の接続のしかたの一つ。原因や理由などをしめす内容が前の文にあり、後の文が結果や結論になる形です。通常は助詞や接続詞を用いて示されます。

順接を表す接続詞の意味と使い方

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順接を表す接続詞は、前の事柄が原因・理由・目的・根拠となって後の事柄が起こることを示す場面で用いる言葉です。

ここで例を挙げている接続詞のほかにも、「そこで」「すると」「したがって」など、さまざまなものがあります。

今回は、それらの中から主な言葉を5つ選択して、それぞれの意味や用例を紹介していきましょう。

#1 「だから」

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「だから」は、断定の助動詞「だ」+接続助詞「から」から成る言葉で、「前に述べた事柄が原因・理由で後の事柄が起こる」ことを示す場合に用いる言葉です。

「したがって」「よって」なども同じような意味になります。

「だから」を使った例文は次の通りです。

「どうやら台風が来るらしい。だから早めに帰ろう」
「今日は何となく気乗りがしない。だから行くのは明日にする」
「あの店は不味いが高い。だから別の店に行った」
「このままでは問題は解決しない。だからルールを変えていかなくては」

「だから」と「なので」

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「だから」の代わりに「なので」と使う人も多いですが、文法的に正しいのでしょうか。

「なので」は連語であり、接続詞ではありません。「通院の日なので授業を休みます」という使い方はできますが、「通院の日です。なので、授業を休みます」のように「なので」を文頭に持ってくるのは間違いになるのですね。

#2 「そのため」

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「そのため」は、「前の事柄を理由・目的として受ける事柄を後に続ける」時に用います。

「そのため」を使った例文は以下の通りです。

\次のページで「「それで」」を解説!/

「彼はすぐにでも退院したかった。そのため治療に専念した」
「彼女は入学試験を間近に控えていた。そのため寸暇を惜しんで勉強した」
「来年はオーストラリアに留学したい。そのため今は日本で資金を貯めている」
「ビジネスで成功したい。そのためノウハウを学んでいるところだ」

「だから」と「そのため」は、どこが違うの?と疑問に思われたのではないでしょうか。

「だから」は前文の内容について、自分の考えを述べる場合に使われます。

これに対して「そのため」は、前文の事柄に対する客観的な事実を述べる場合に使われるのです。

 

#3 「それで」

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「それで」は、「前の事柄が理由となって帰結した事柄を後に述べる」時に用います。

この言葉を使った例文は次の通りです。

「家を出る時になって頭痛がして、それで試験を受けられなかった」
「昨夜は暴風で停電になった。それで連絡ができなかったんだ」
「実は卵にアレルギーがある。それで食事に手がつけられなかった」
「希望の条件の会社に転職できなかった。それで今落ち込んでいるんだ」

ここでまた、「だから」「そのため」と「それで」の違いがわからなくなりますね。

「それで」は「そのため」と同じように、前の事柄に対する客観的事実を述べるときに使う言葉です。

ただし、「それで」は相手が言ったことに対して質問する場合にも使われます。

例えば、上の例文を使うと、

「家を出る時になって頭痛がしたんだね。それで、試験はどうなったの?」

というようになりますね。

 

#4 「それでは」

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「それでは」は、「前に述べた事柄を根拠にして後の事柄を述べる」時に用います。

「では」も同じような使い方をする言葉です。

「それでは」は、たとえば以下のように使用することができます。

\次のページで「「それでは」の他の使い方」を解説!/

「あなたはその情報を知っていて黙っていたのですか?それでは私を騙したのと同じことではないですか」
「昭和60年生まれですか?それでは私と同じ年ということですね」
「3年も留学していたのですか?それでは英語はペラペラということですね」
「一所懸命国語の勉強をしたの?それではもういいから寝なさい」

「それでは」の他の使い方

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「それでは」という言葉は、感動詞として「それでは、さようなら」のように使うこともできます。

また、連語として「それではここまで頑張ってきた甲斐がない」のように、「そういう状態では」という意味でも使える言葉です。

#5 「それなら」

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「それなら」は、「相手の発言などを受けて仮定の事柄または確実な判断を基に後の事柄を述べる」場合に用いる言葉です。

同じような意味の「それでは」を、よりやわらかく口語的に表現します。

「それなら」を使った例文は次の通りです。

「インフルエンザですか。それなら欠席もやむを得ませんね」
「あなたは行かないの?それなら私も欠席しようかな」
「渋滞?それなら電車で行きます」
「彼が反対しているのか。それなら中止にするしかない」

それぞれ微妙に異なる意味を持つ

以上、順接を表す接続詞で代表的なものを5つ紹介しました。

それぞれ意味が似通っている部分がありますが、厳密には少しずつ違ったニュアンスを持っていることがおわかりいただけたでしょうか。

普段何気なく使っている用語ですが、今後は違いや使い方に少し気を付けてみてくださいね。

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言葉の意味

「順接を表す主な接続詞5つ」それぞれの意味と使い方は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

今回の記事では、順接を表す主な接続詞(だから・そのため・それで・それでは・それなら)の意味と使い方を翻訳経験のある現役ライターの筆者が解説していきます。

接続詞とは

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まず、接続詞の説明からしていきましょう。

接続詞とは、自立語で活用がなく、文や文節をつなぐ働きのある単語のことです。一般的に、接続詞がなくても前と後ろの文章の意味は通じます。

順接、逆接、並列など、接続詞の種類はさまざまです。

順接とは

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順接とは、二つの文(または文節)の接続のしかたの一つ。原因や理由などをしめす内容が前の文にあり、後の文が結果や結論になる形です。通常は助詞や接続詞を用いて示されます。

順接を表す接続詞の意味と使い方

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順接を表す接続詞は、前の事柄が原因・理由・目的・根拠となって後の事柄が起こることを示す場面で用いる言葉です。

ここで例を挙げている接続詞のほかにも、「そこで」「すると」「したがって」など、さまざまなものがあります。

今回は、それらの中から主な言葉を5つ選択して、それぞれの意味や用例を紹介していきましょう。

#1 「だから」

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「だから」は、断定の助動詞「だ」+接続助詞「から」から成る言葉で、「前に述べた事柄が原因・理由で後の事柄が起こる」ことを示す場合に用いる言葉です。

「したがって」「よって」なども同じような意味になります。

「だから」を使った例文は次の通りです。

「どうやら台風が来るらしい。だから早めに帰ろう」
「今日は何となく気乗りがしない。だから行くのは明日にする」
「あの店は不味いが高い。だから別の店に行った」
「このままでは問題は解決しない。だからルールを変えていかなくては」

「だから」と「なので」

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「だから」の代わりに「なので」と使う人も多いですが、文法的に正しいのでしょうか。

「なので」は連語であり、接続詞ではありません。「通院の日なので授業を休みます」という使い方はできますが、「通院の日です。なので、授業を休みます」のように「なので」を文頭に持ってくるのは間違いになるのですね。

#2 「そのため」

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「そのため」は、「前の事柄を理由・目的として受ける事柄を後に続ける」時に用います。

「そのため」を使った例文は以下の通りです。

\次のページで「「それで」」を解説!/

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