
「選択・転換を表す接続詞5つ」それぞれの意味と使い方。新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!
接続詞の機能

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接続詞とは品詞の一つで、AとB、前文と後文、2つのものや事柄の間をつなぐための言葉です。自立語で、それ自体が主語になったり、活用はしません。
どのような役割を持っているかと言うと、後文が前文に対して持っている接続関係を、読み手に予告するための言葉です。つまり、次にどのような内容の言葉・文がくるのかをイメージさせて、理解を促進する、文章を分かりやすくすることが役割だとされています。
選択と転換
接続詞にも多くの種類があり、機能によって分類することができます。そのうちの2つが、選択・転換です。
選択・転換を表す接続詞は、リラックスした日常会話から、法律やビジネス文書などの厳格な文章まで、多くの場面に登場します。使い方や適切な場面を覚えておくと、便利な言葉です。
ここでは、それらの中から代表的な言葉を5つを厳選し、意味や用例を紹介していきます。
選択の接続詞

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AとBを対比させて、どちらかを選択する場合に使われるのが、選択の接続詞です。前文で述べられた一つの事柄に対して、後文で別の事柄を提示する場合に用いられます。
キーワードを使って検索するときに便利な演算子をイメージすると、分かりやすいかもしれません。選択の接続詞は演算子でいうところのorで、AまたはB、つまりどちらか一方だけが含まれるということを意味します。
「あるいは」
「あるいは」は、同じような2つ以上の選択肢があるときに用いる言葉です。また、もしかすると2番目の選択肢があるかも、というニュアンスも持っています。日常会話で使うこともありますが、どちらかというと文書で使うほうが多いかもしれません。
たとえば、以下のような使い方をすることができます。
例文:
「そこに行くにはバスあるいは電車でもそれほど違いはない」
「今から出すのなら普通郵便あるいは速達でも明日には届く」
「会員登録をして無料サービスを利用するか、あるいはその都度自分で入力するという選択肢もある」
「もしくは」
「もしくは」も、同列の選択肢が2つ以上ある場合に用います。「あるいは」と似ていますが、明確に二者択一をする場面で使うので、ひょっとするとというニュアンスはありません。また、くだけた会話よりは、ビジネスシーンで使われることが多いでしょう。
たとえば以下のように使用します。
例文:
「電話もしくはメールで確認してください」
「アイコンをダブルクリックするか、もしくは画面をタップして起動させてください」
「メールもしくは郵送で提出してください」
「セットのドリンクはコーヒーもしくは紅茶をお選びいただけます」
「それとも」
「それとも」も、2つ以上の選択肢があるときに使用しますが、基本的には疑問文で使われます。AとB、どちらを選びますか?という問いかけの形ですね。そこが、「あるいは」「もしくは」と明確に違うところです。
たとえば、以下のような使い方をすることができます。
例文:
「ランチはイタリアン?それとも和食?」
「地下鉄で行きましょうか?それともJRのほうが良いですか?」
「今週末はいかがですか?それとも来週にしますか?」
いずれも意味的にはほぼ共通です。使うシチュエーションや語感を考慮して、どの接続詞を選択するかを決めるとよいでしょう。また、後文の形が限定されるケースが多いのも、特徴の一つです。前文の文末と同じ形式が後文の文末にも使われることが多い点は、覚えておくと役に立つかもしれません。
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