国語言葉の意味

【慣用句】「コップの中の嵐」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターが解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「コップの中の嵐」について解説する。

端的に言えばコップの中の嵐の意味は「仲間内だけの些細な揉め事」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「コップの中の嵐」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

学生時代、友人関係に悩んでいた時に「コップの中の嵐と思えば楽になるよ」と言われたことからこの言葉に興味を持ったらしい。一体どんなときに使う言葉なのか、元となる英語表現についても解説してもらう。

「コップの中の嵐」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「コップの中の嵐」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「コップの中の嵐」の意味は?

「コップの中の嵐」には、次のような意味があります。

当事者には大事(おおごと)でも、他にあまり影響せずに終わってしまうもめごと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

何かトラブルやいさかいが起こったとき、渦中にいる当事者はどうしても大げさに受け止めがちで右往左往してしまいます。でも視野を広く持って大局的に見れば大騒ぎするほどのことではないというケースはありますね。そんな様子を客観的に捉え、コップの中のように狭い世界の出来事にたとえた表現が、この「コップの中の嵐」です。

政治の世界の派閥闘争など、限られた範囲での小競り合いを揶揄して使われることもありますよ。

「コップの中の嵐」の語源は?

次に「コップの中の嵐」の語源を確認しておきましょう。

この言葉は、W・Bバーナードの劇の題名「A Storm in a Teacup」が語源と言われています。英語では「ティーカップ」だったのが日本語では「コップ」になっているのも面白いですね。日本語のコップ(水などを飲むガラスの器)は英語ではglassというのか、と不思議に感じた中学生の頃を思い出します。

ちなみにこのバーナードさん、フルネームはウィリアム・バイル・バーナードというロンドンの劇作家。日本ではあまりなじみはありませんが、作品の中にはあのエドガー・アラン・ポー(「モルグ街の殺人」が有名)に影響を与えたものもあったようです。

そしてこの「A Storm in a Teacup」ですが、1936年に作られたアメリカ映画に同名のものがあります。「風と共に去りぬ」で名をはせたヴィヴィアン・リーが主演しており、邦題は「茶碗の中の嵐」とされました。まあ、茶碗といってもご飯茶碗のことではなく、湯飲み茶碗をイメージして名付けられたのでしょうね。

バーナードの劇以外にも、「コップの中の嵐」と似た表現はもっと古くからありました。紀元前のギリシャの政治家、キケロの著作の一節「ひしゃくの中の大嵐を作った」が元といわれる表現が、様々な形で見つかります。

今も使われるものとしてはstorm in a teacup (ティーカップの中の嵐) や a storm in a wash basin (洗面器の嵐)、a storm in cream bowl (クリームを作るボウルの中の嵐)のようなバリエーションがあったようです。器がコップ、ティーポット、ボウルといろいろなのが生活の様子を映し出しているようで楽しいですね。

またこうした表現は英語だけに見られるわけではなく、イタリア語、フランス語、ドイツ語などほぼ全ヨーロッパの諸言語で「コップ1杯の水の中の嵐」という表現があるそうですよ。となると、それまでいろいろな形で表されていた中で、バーナードの劇によって「コップの中の嵐」がとくに有名になり、日本語でも使われるように…。そんな経緯があったのではないでしょうか。

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