
3分で簡単「ブラッグの法則」X線の反射から物質を特定できる理由を理系ライターがわかりやすく解説!

ライター/R175
関西のとある国立大の理系出身。
1.X線の反射から物質が特定できる

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物質にX線(波)を当てると一部が反射波として入射角と反射角が等しくなるように跳ね返ってきます。壁に向かってボールを投げ跳ね返ってくるのと同じ現象が起きるのです。物質はそれぞれ固有の結晶構造を持っていて、その構造によって反射波の角度が異なるため、この角度を測定すれば結晶構造および物質を特定できます。なぜ、結晶構造によって反射波の角度が特定されるのでしょうか。
2.物質の結晶構造と結晶面
まずは、結晶構造に関して。物質は何らかの元素で構成されますが、元素は無秩序に並んでいるわけではなく規則性を持って結晶格子を成しています。この格子が1か所も途切れることなく規則的にぴったりつながっている物質が単結晶ですが、通常特別な処理をしない限りなかなか作るのが難しいもの。多くの物質は多結晶だと考えましょう。とはいえ、狭い範囲で部分的に見れば規則性を持ってつながっているもの。規則性を持つ範囲が特に狭い場合は非晶質となります。
波が反射する面である「結晶面」は原子と原子を結ぶ線によって作られる平面のことで、これがX戦の反射に大きく関わってくるのです。

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3.結晶面でのX線の反射

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X線(電磁波)の反射は。X線をボール、結晶面を壁と見立てるとわかりやすいです。波がぶつかってきたとき、垂直にぶつかれば垂直跳ね返り、斜めにぶつかれば斜めにぶつかる。壁にボールを当てた時と同じような挙動をすると考えてください。
肝となるのは、「すべての波が最表面の結晶面(壁)で跳ね返るわけではない」ということ。中には再表面より1つ奥側の壁で跳ね返るのです。
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