この記事では「雪と墨」について解説する。

端的に言えば雪と墨の意味は「正反対であること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「雪と墨」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「雪と墨」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「雪と墨(ゆきとすみ)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「雪と墨」の意味は?

「雪と墨」には、次のような意味があります。

物事の正反対であること。また、違いのはなはだしいことのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「雪と墨」

「雪」とは真っ白く、空から降って来るもの。それに対し「墨」は黒いもの。これら二つは、比べることもなくまったく異なるものです。

「雪と墨」とは、このように、真っ白な雪と真っ黒な墨を対比し、正反対である様子をたとえた慣用句になります。とくに雪と墨では“あまりにも違いが大きい”ことから、”比べるまでもない”というニュアンスを含んだ言葉です。

「雪と墨」の使い方・例文

「雪と墨」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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1.クラスメイトの関係であっても彼は勉強もできて成績も良く人気者。不器用な自分とは雪と墨ほど違う存在だよ。
2.僕と彼は双子の兄弟だけれども、性格はまるで雪と墨のようだと先生に言われてしまった。
3.とある画家の作品展覧会に行ったが非常に感動した。今はまだ雪と墨だけれども、いつかは私もあんな大作を書き上げ、画家として活躍してみたい。

「雪と墨」とは正反対である様子のこと。そのため、二つのものを対比するときに使われるのが一般的です。

ただし違いが大きいことを表現していても、「雪と墨」という言葉自体は優劣をつけるものではありません。そのため、例文1のように否定的なニュアンスに使うこともできますが、例文2のように優劣のない比較に使うこともできます。

違いが大きいことを表す言葉は他にもたくさんありますが、ニュアンスを捉えてしっかり使い分けるようにするといいでしょう。

「雪と墨」の類義語は?違いは?

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ここでは「雪と墨」の類義語について見ていきましょう。

「雲泥の差」

「雲泥の差(うんでいのさ)」とは、“物事が非常にかけはなれている様子”を表した言葉。「雲泥」とは空に浮かぶ“雲”と地上の“泥”を指し、その差があまりにも大きいことをたとえています。

空の雲と地上の泥ではきわめて遠い距離があるため、違いがあることを指す言葉のなかでも“極端に異なる”ことを意味するときに使うのが一般的です。

「雪と墨」同様に、優劣をつける言葉でもなく、端的に違いの大きさを表すことができます。類義語表現のひとつとして覚えておきましょう。

「月とすっぽん」

「月とすっぽん」とは、空に浮かぶ月と地上のすっぽんを比較したことわざです。丸い外見上は似ている部分があるのに、月とすっぽんでは比較にならないほど違いが大きい様子をたとえたもので、“極端に異なる”という意味で使用します。

またこのとき、「月」とはすぐれたもの、「すっぽん」は劣るものを表しているため、同時に優劣を含めて“釣り合わない”というニュアンスも含んだ言葉です。

“非常に違いが大きい”という点で、「雪と墨」とも類義語と言えるでしょう。ただし、上述のように「月とすっぽん」には優劣の意味合いも含まれている点で、「雪と墨」とはニュアンスが異なります。そのため、使い分けには注意が必要です。

\次のページで「「提灯に釣鐘」」を解説!/

「提灯に釣鐘」

「提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)」、“非常に異なる様子”を表す慣用句です。「提灯」と「釣鐘」は、ぱっと見の外見上は似た形をしていますが、実際は大きさも重さも全く違うもの。比較にすることもできません。そのため「提灯に釣り鐘」は“見た目に共通するところがあっても、実際の中身は釣り合わない”様子をたとえた言葉として使われます。

同じように“違いが大きい”ものを表す言葉ですが、見た目が似ているのに釣り合わない「提灯に釣り鐘」と、見た目もすべて異なる「雪と墨」では、意味合いも変わるもの。それぞれの言葉のニュアンスを捉えて、誤った意味合いにならないよう使い分けることが必要です。

なお見た目が似ているのに中身が釣り合わないという点では、「月とすっぽん」とも似た言葉ですが「提灯に釣り鐘」では、“釣り合わない”という様子を指すだけで優劣の意味は含みません。

「雪と墨」の対義語は?

正反対のように異なる様子を表した「雪と墨」に対し、その対義語となる表現を見ていきます。

「大同小異」

「大同小異(だいどうしょうい)」とは、だいたいは同じだが細かい点で異なること。つまりは“似たりよったりで大差がないこと”を表します。

わずかな違いがあっても、両者には差がないことを意味する「大同小異」は、「雪と墨」とは反対の意味と言えるでしょう。

「雪と墨」の英訳は?

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最後に「雪と墨」の英語訳を確認していきましょう。

「as different as chalk and cheese.」

「as different as chalk and cheese.」とは英語の言い回しで、「白墨とチーズほども違う」と日本語では訳されます。「chalk」とは“白墨”と訳されていますが、いわゆるチョークのこと。「cheese」は食べ物の“チーズ”のことです。チョークとチーズは外見上似ているのに、その中身はまったく違うということをたとえて、はなはだしく違いがあるときに用いられます。

見た目が似ているのに、というニュアンスは含まれるものの、正反対であることを強調して「雪と墨」を表現したい際には、この英語訳を用いるといいでしょう。

\次のページで「「雪と墨」を使いこなそう」を解説!/

「雪と墨」を使いこなそう

この記事では「雪と墨」の意味・使い方・類語などを説明しました。

両者の違いが大きいことを指す言葉は多くありますが、「雪と墨」という言葉はその中でも詩的で美しい表現とも言われています。ここぞという時にしっかり使えるようにしておきましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「雪と墨」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

「提灯に釣鐘」

「提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)」、“非常に異なる様子”を表す慣用句です。「提灯」と「釣鐘」は、ぱっと見の外見上は似た形をしていますが、実際は大きさも重さも全く違うもの。比較にすることもできません。そのため「提灯に釣り鐘」は“見た目に共通するところがあっても、実際の中身は釣り合わない”様子をたとえた言葉として使われます。

同じように“違いが大きい”ものを表す言葉ですが、見た目が似ているのに釣り合わない「提灯に釣り鐘」と、見た目もすべて異なる「雪と墨」では、意味合いも変わるもの。それぞれの言葉のニュアンスを捉えて、誤った意味合いにならないよう使い分けることが必要です。

なお見た目が似ているのに中身が釣り合わないという点では、「月とすっぽん」とも似た言葉ですが「提灯に釣り鐘」では、“釣り合わない”という様子を指すだけで優劣の意味は含みません。

「雪と墨」の対義語は?

正反対のように異なる様子を表した「雪と墨」に対し、その対義語となる表現を見ていきます。

「大同小異」

「大同小異(だいどうしょうい)」とは、だいたいは同じだが細かい点で異なること。つまりは“似たりよったりで大差がないこと”を表します。

わずかな違いがあっても、両者には差がないことを意味する「大同小異」は、「雪と墨」とは反対の意味と言えるでしょう。

「雪と墨」の英訳は?

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最後に「雪と墨」の英語訳を確認していきましょう。

「as different as chalk and cheese.」

「as different as chalk and cheese.」とは英語の言い回しで、「白墨とチーズほども違う」と日本語では訳されます。「chalk」とは“白墨”と訳されていますが、いわゆるチョークのこと。「cheese」は食べ物の“チーズ”のことです。チョークとチーズは外見上似ているのに、その中身はまったく違うということをたとえて、はなはだしく違いがあるときに用いられます。

見た目が似ているのに、というニュアンスは含まれるものの、正反対であることを強調して「雪と墨」を表現したい際には、この英語訳を用いるといいでしょう。

\次のページで「「雪と墨」を使いこなそう」を解説!/

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