1.クラスメイトの関係であっても彼は勉強もできて成績も良く人気者。不器用な自分とは雪と墨ほど違う存在だよ。
2.僕と彼は双子の兄弟だけれども、性格はまるで雪と墨のようだと先生に言われてしまった。
3.とある画家の作品展覧会に行ったが非常に感動した。今はまだ雪と墨だけれども、いつかは私もあんな大作を書き上げ、画家として活躍してみたい。
「雪と墨」とは正反対である様子のこと。そのため、二つのものを対比するときに使われるのが一般的です。
ただし違いが大きいことを表現していても、「雪と墨」という言葉自体は優劣をつけるものではありません。そのため、例文1のように否定的なニュアンスに使うこともできますが、例文2のように優劣のない比較に使うこともできます。
違いが大きいことを表す言葉は他にもたくさんありますが、ニュアンスを捉えてしっかり使い分けるようにするといいでしょう。
「雲泥の差」
「雲泥の差(うんでいのさ)」とは、“物事が非常にかけはなれている様子”を表した言葉。「雲泥」とは空に浮かぶ“雲”と地上の“泥”を指し、その差があまりにも大きいことをたとえています。
空の雲と地上の泥ではきわめて遠い距離があるため、違いがあることを指す言葉のなかでも“極端に異なる”ことを意味するときに使うのが一般的です。
「雪と墨」同様に、優劣をつける言葉でもなく、端的に違いの大きさを表すことができます。類義語表現のひとつとして覚えておきましょう。
「月とすっぽん」
「月とすっぽん」とは、空に浮かぶ月と地上のすっぽんを比較したことわざです。丸い外見上は似ている部分があるのに、月とすっぽんでは比較にならないほど違いが大きい様子をたとえたもので、“極端に異なる”という意味で使用します。
またこのとき、「月」とはすぐれたもの、「すっぽん」は劣るものを表しているため、同時に優劣を含めて“釣り合わない”というニュアンスも含んだ言葉です。
“非常に違いが大きい”という点で、「雪と墨」とも類義語と言えるでしょう。ただし、上述のように「月とすっぽん」には優劣の意味合いも含まれている点で、「雪と墨」とはニュアンスが異なります。そのため、使い分けには注意が必要です。
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