タンパク質と生物体の機能理科生物

5分でわかる「デンプンの分解」消化酵素のはたらきとは?元塾講師がわかりやすく解説

3-1.消化酵素による消化・分解

食物に含まれるデンプンはデンプンのまま消化吸収されるのではありません。まず唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素によって麦芽糖(マルトース)に分解されます。長い鎖状の分子が二糖類である麦芽糖になるまで、細かく切られていく過程です。よく噛んで食べましょうといわれるのは、ごくんと飲み込むまでにできるだけ分解を進めるためということなのですね。口の中で麦芽糖になり切れなかったデンプンは、十二指腸で完全に麦芽糖へと分解されます。アミラーゼはすい臓から出るすい液にも含まれており、腸内でも作用するのです。

こうして小さな分子になった麦芽糖が小腸までやってくると、小腸壁から分泌されるマルターゼという消化酵素がはたらきます。麦芽糖は単糖類であるブドウ糖に分解されて最小単位の糖類となり、ようやく吸収できるようになるのです。

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咀嚼は食べ物を飲み込みやすいくするだけでなく、その後の消化吸収を助けるためのものなんだ。体内のあらゆる場所でそれぞれのはたらきをもつ消化や代謝に関わる酵素がたくさん存在しているんだな。

3-2.ブドウ糖の吸収

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ブドウ糖小腸の内側の柔毛から吸収されます。柔毛は無数のヒダでできていて、その中にある毛細血管からブドウ糖は吸収されるのです。吸収されたのちは肝臓に運ばれ、一部は肝臓でグリコーゲンという物質に姿を変えて蓄えられます。(このグリコーゲンは動物デンプンともよばれる多糖類です。せっかく分解したのに、また分子をつなげて蓄えるなんて不思議ですよね。しかし体内にエネルギーを保存しておくにはまとまっているほうが都合がいいのかもしれませんね。)残りのブドウ糖は全身に送られ、私たちの運動や生命維持活動のためのエネルギーとして細胞へ届きます。

デンプンは麦芽糖、ブドウ糖と小さな分子に分解されることで本当の意味で体内に吸収されるようになるということです。つまり、体がエネルギー源として欲しているのはブドウ糖であるといえるでしょう。

3-3.疲れたときには甘いものを

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さあ、もうお分かりですね。体がエネルギーを欲しているとき、疲れているときにはブドウ糖を補給してあげるのが一番です。食べてからエネルギーとして利用されるまでの時間を少しでも短くしようとするなら、ブドウ糖タブレットのようなものがいいでしょう。甘みのあるラムネのようなものなので、食べやすく作られています。運動前後などミネラルを補給したいときにはブドウ糖入り塩タブレットのようなものもいいですね。

また、甘いお菓子には砂糖(ショ糖・スクロース)が含まれていて、体内に入るとブドウ糖と果糖に分解されて吸収されます。これもよりスピーディーで効率よくブドウ糖を補給するには最適です。さらにチョコレートにはリラックス効果や学習能力をアップさせる効果があるとされています。勉強前後や休憩に甘いものを食べるのは理にかなっているということがわかりましたね。

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甘いものは気分転換にもなるからおすすめだ。自分の脳や体を休ませるためにも休憩時間は大事だぞ。

消化酵素は糖の鎖を断ち切るハサミ

デンプンは多数の単糖がむすびついてなる多糖類です。口から入ったデンプンはアミラーゼによって麦芽糖へ分解され、さらに腸内でマルターゼによってブドウ糖へと変わります。このブドウ糖がヒトの体にとってのエネルギーとなり、使われたり蓄えられたりするのです。これと同様、タンパク質も長い鎖からペプチドとよばれる短い分子になり、最終的にはアミノ酸へと分解されます。これにも消化酵素の存在が欠かせません。炭水化物・タンパク質・脂質など基本的な食物の消化の過程については消化酵素を合わせて覚えておきましょう。

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Ayumi05