この記事では「虫が知らせる」について解説する。

端的に言えば「虫が知らせる」の意味は「前もって心に感じる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「虫が知らせる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「虫が知らせる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「虫が知らせる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。まずは、国語辞典などの辞書で正確な意味を確認しましょう。

「虫が知らせる」の意味は?

「虫が知らせる」には、次のような意味があります。

1.前もって心に感じる。予感がする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「虫が知らせる」

「虫が知らせる」とは、「良くないものごとが起こりそうな予感がすること」という意味です。しっかりとした明確な理由はないが、試合でミスをしてしまいそうな気がする日。仕事が終わっても、何か重要なことを忘れているのではないかとソワソワしてしまう日。

時折、なんだか気持ちが落ち着かない、不安な日はありませんか。このように「虫が知らせる」=近い将来に起こりそうな悪いものごとを予感する」場面で使用される慣用句なのです。

「虫が知らせる」の語源は?

次に「虫が知らせる」の語源を確認しておきましょう。由来は奈良時代に中国から伝わった道教の教えである「庚申信仰(こうしんしんこう)」。この教えの中で、人間の体の中には「上尸(じょうし)・中尸(ちゅうし)・下尸(げし)」という3匹の虫が住んでいるとされていました。

3匹の虫は人間が寝ている間に体から出ていき、その人間の罪や悪を天帝に密告するという虫なのです。学級委員長が先生に報告するようなイメージでしょうか。この「虫が天帝に言いつける様子」から「虫が知らせる」が誕生したと言われているのです。

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「虫が知らせる」の使い方・例文

「虫が知らせる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。用例を読むことでより理解を深めましょう。

1.雨の日、飛行機に乗るためにバイクで空港に行く予定だったが、虫が知らせるので電車で行くことにした。
2.虫が知らせたのか、動画配信サービスのユーザーID・パスワードを変更したので自分は不正アクセスに遭わずにすんだ。
3.何気なく祖父に電話をしてみた。虫が知らせたというべきなのか。 祖父が書籍を片付けているときに腰を怪我をしたとは思ってもいなかった。

「虫が知らせる」は「身内に不幸が起きる時」「病気やケガをする時」「事件や事故が起きる時」などのシチュエーションで多く使われる慣用句です。

1と2の例文は、「雨の影響が及ぼすバイクでの事故」「デジタル社会で多く発生している事件」を示していますよね。まさに「事故が起きる時」という悪い予感や直感が感じられるのではないでしょうか。

一方、3の例文では「祖父」と「腰の怪我」=「身内への不幸」と「病気やケガ」。嫌な予感が的中してしまった様子が伺えますよね。

キーワードは「悪い予感」。このように「虫が知らせる」は悪いイベントを予感させる時に用いられる表現なのですね。日々の不幸なものごとは未然に防ぐことができたらと思う今日この頃です。

「虫が知らせる」の類義語は?違いは?

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「虫が知らせる」の類義語についての説明です。「虫が知らせる」の意味と関連する言葉を一緒に見ていきましょう。

「胸騒ぎ」

「胸騒ぎ」とは「心配ごとや悪い予感で胸がどきどきすること」という意味。家族の帰りが遅く、なんの連絡もなく心配で心臓がドキドキ。このような経験はないでしょうか。

「胸騒ぎ」は悪い予感がして「胸」=「心臓」がバクバクするという心臓の様子が含まれていることが特徴。「 胸騒ぎをおぼえる」や 「なんだか胸騒ぎがする」というように使うことができますよ。この機会に使い方も頭に入れておきましょう。

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「虫が知らせる」の対義語は?

「虫が知らせる」は「悪い予感がする」という意味でしたね。反対の意味となると「良い前兆」という意味が考えられるでしょう。では、このような意味の言葉を紹介しますね。

「幸先が良い」

「幸先が良い(さいさきがよい)」は「物事のはじめが、全体的にうまくいきそうな様子・よい前兆があるさま」という意味。

「幸先が良い」の「幸」は「幸せ」・「幸福」のこと。「先」とは「未来・将来・前途」を意味していますよ。「幸せや幸福が近い将来訪れる予感・前兆」というプラスのニュアンスがが漢字から伝わってきますよね。

「幸先の良いスタート」という使い方で慣れ親しんでいる方も多いのではないでしょうか。一般に広く知れ渡っており日常生活でよく耳にする言い回しですね。ぜひ、知識として身につけましょう。

「虫が知らせる」の英訳は?

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「虫が知らせる」は英語ではどのように表現するのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

「have a premonition that~ 」

「虫が知らせる」を英語で表現するには「have a premonition that~ 」が良いでしょう。「premonition」の「pre-」 は「前」。「-monition」 は「警告」という意味。繋げると「前に来る警告」となり「予感」や「前兆」という意味になりますよね。不吉な予感というマイナスな意味合いが込められている単語なのです。

I have a premonition that I’ll break up with her.

(私は彼女と別れるような悪い予感がする。)

例文のように、主語に「I」などをつけると「私は~that以下という予感がする」と訳すことができますね。また、彼女と破局。なんて悲しい、辛い出来事なのでしょうか。that以下にはこのように「起こってほしくない悪いものごと」を示す場合が多いのです。

「弱虫」=「気の弱い人、弱音を吐く人」

「お邪魔虫」=「現場の雰囲気にふさわしくない人。空気が読めず、水をさす発言をする人」

「金食い虫」=「浪費家。お金を消費するだけで利益を作り出さない人」

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「虫が知らせる」を使いこなそう

この記事では「虫が知らせる」の意味・使い方・類語などを説明しました。農業や稲作が盛んな日本。虫は作物に悪い影響を与える存在でもあります。

一方、キラキラと光る夏のホタル。リンリンと鳴く秋の鈴虫。季節の虫を観賞し、音色を楽しむというように私たちの生活を楽しませる虫も多く存在しますよね。

このように、虫と人間は深い関わりがある身近な存在。これは日本語において「虫」を用いた慣用句やことわざが多いことと関係しているのではないでしょうか。きっと、虫と人間はずっと一緒に生きてきた仲間なのでしょうね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「虫が知らせる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「虫が知らせる」の使い方・例文

「虫が知らせる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。用例を読むことでより理解を深めましょう。

1.雨の日、飛行機に乗るためにバイクで空港に行く予定だったが、虫が知らせるので電車で行くことにした。
2.虫が知らせたのか、動画配信サービスのユーザーID・パスワードを変更したので自分は不正アクセスに遭わずにすんだ。
3.何気なく祖父に電話をしてみた。虫が知らせたというべきなのか。 祖父が書籍を片付けているときに腰を怪我をしたとは思ってもいなかった。

「虫が知らせる」は「身内に不幸が起きる時」「病気やケガをする時」「事件や事故が起きる時」などのシチュエーションで多く使われる慣用句です。

1と2の例文は、「雨の影響が及ぼすバイクでの事故」「デジタル社会で多く発生している事件」を示していますよね。まさに「事故が起きる時」という悪い予感や直感が感じられるのではないでしょうか。

一方、3の例文では「祖父」と「腰の怪我」=「身内への不幸」と「病気やケガ」。嫌な予感が的中してしまった様子が伺えますよね。

キーワードは「悪い予感」。このように「虫が知らせる」は悪いイベントを予感させる時に用いられる表現なのですね。日々の不幸なものごとは未然に防ぐことができたらと思う今日この頃です。

「虫が知らせる」の類義語は?違いは?

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「虫が知らせる」の類義語についての説明です。「虫が知らせる」の意味と関連する言葉を一緒に見ていきましょう。

「胸騒ぎ」

「胸騒ぎ」とは「心配ごとや悪い予感で胸がどきどきすること」という意味。家族の帰りが遅く、なんの連絡もなく心配で心臓がドキドキ。このような経験はないでしょうか。

「胸騒ぎ」は悪い予感がして「胸」=「心臓」がバクバクするという心臓の様子が含まれていることが特徴。「 胸騒ぎをおぼえる」や 「なんだか胸騒ぎがする」というように使うことができますよ。この機会に使い方も頭に入れておきましょう。

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