
「肌身離さず」の対義語は?
「肌身離さず」の意味の反対は、そのまま考えれば物を放置したり乱雑に扱うことですね。
それでは「肌身離さず」の対義語を見ていきましょう。
「捨て置く」
「捨て置く」は、「捨てておく」や「放っておく」という意味で用いられる言葉です。
「大切にする」や「傍に置いておく」とは正反対の意味を表すことが分かりますね。このように「捨て置く」は、ただ「捨てる」だけでなく「構わずに放っておく」という意味合いも含むことによって「肌身離さず」と反対の意味を表すことになります。
また「肌身離さず」が物を対象にした時しか使わないように、「捨て置く」も「人を捨て置く」という風に用いることはありません。
「置き去りにする」
「肌身離さず」も「捨て置く」も、物を対象にした時のみに用いられる言葉でした。
ここではもう一つ、「放っておく」や「捨てる」などを表す際に人と物のどちらにも用いることの出来る言葉も紹介します。
「置き去りにする」とは、人や物をその場に残したまま行ってしまうことを指す言葉。
このように「捨て置く」とは異なり人に対しても用いることが出来ますが、対象になる人は子供や老人など、自分が相手の人生を扶養している場合に用いることが多いです。
一人で生きていくことが出来るほどの経済力やその他の能力がない人の元から突然去るということは、その人の存命を見捨てるということになりますね。反対に、お互いが自立している関係性の場合には離れても「置き去りにする」という表現にはなりません。
以上のことから、「置き去りにする」とは人に対しても用いることが出来る言葉ですが自分が相手の人生の責任を負っている、つまり主導権がある場合においてのみ表現することが好ましいということが分かります。
「捨てる」や「放っておく」という言葉自体が自分を主軸においた行動を指す表現なので、人に対して用いる場合はどうしても経済的・社会的立場が関係してくるということですね。
「肌身離さず」を使いこなそう
この記事では「肌身離さず」の意味・使い方・類語などを説明しました。
「肌身離さず」とは大切なものを常に持ち歩くという意味があることが分かりましたね。
行動の主軸が自分にあるのか、相手にあるのかということで表現する言葉が変わるということは日本語の面白いところなのではないでしょうか?
自分に主導権がある時と相手に主導権がある時によって使う言葉を変えることが出来るようになると、言葉の表現の幅が広がりますよね。
「肌身離さず」を使いこなして、身の周りの物を大切にしましょう。