
1.当社の会員カードを発行していただくと、各店舗にご来店の際商品を格安の価格でご購入いただけるサービスや便利な情報がお客様に届くシステムとなっておりますので、肌身離さずお持ちください。
2.会社の上司は多忙でなかなか家に帰ることが出来ていないようだが、通勤前に家族の写真をお守りとしてスーツの胸ポケットにいれて、肌身離さず持ち歩いている家族思いの人だ。
3.個人情報が無断でサイトに転載される悪質な詐欺が増加しているので、やむを得ず個人情報が記録されている文書やデータを持ち歩く際には肌身離さず、日常的に存在を確認する様に癖付けてください。
以上のように「肌身離さず」は個人情報や自分にとって大切なものを紛失しないようにするために、なるべく自分のそばから離さないようにするというニュアンスを含んでいる言葉だということがお分かりいただけるかと思います。
また、いくら自分にとって大切なものといっても用いるのは所有物にむける時のみであり、人に対して使うことはありません。
なぜなら「離さず」は、「離れない」ではなく「離さない」からです。人に対して「離さない」という言葉を使ってしまうと単なる独占欲となり相手を自分の所有物として扱ってしまうことになります。
なので、「肌身離さず」という言葉は自分の所有物に対してのみ使うようにしましょう。
「肌身離さず」の類義語は?違いは?

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「肌身離さず」とは、「大切なものを離さずに常に持ち歩く」という意味があると説明してきました。同じ様子を指すその他の言葉はあるのでしょうか?
ここからは「肌身離さず」の類語や違いを見ていきましょう。
「手放さない」
「手放さない」は、言葉の通り自分の手から離さないようにしっかりと持っておくという意味ですね。「手」も、「肌」と「身」から成り立っているものなので基本的には意味も使い方も同じです。
あえて違いを取り上げるとすれば、「手放さない」よりも「肌身離さず」の方が「肌」と「身」を分けて強調しているだけあり、密着感が強い印象でより大切に持っておくという意味合いがあります。
「帯同する」
少し使い方が異なる例も紹介します。
「帯同する」は、自分を行動の主軸において人を連れていくという意味で用いられる言葉です。「肌身離さず」と違う点は人を連れ立って歩くという時にのみ用いられ、「物を帯同する」とは使わないという所。つまり、「もの」に対して使う「肌身離さず」と「人」に対して使う「帯同する」とでは使う状況、使い方が異なるということです。
しかし、「肌身離さず」も「帯同する」も自分に主導権があるという点で意味が共通します。
「帯同する」において行動の主軸が相手にある場合には、自分は相手に対して「同行する」という言葉を用いるので注意しましょう。
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