
「蔑ろにする」
「蔑ろにする(ないがしろにする)」の意味は「他人や物事をあってもないもののように軽んじること、軽視(けいし)すること」です。
「蔑ろ」は元々「無きが代(なきがしろ)」といわれていました。「代わり」「代行」などにみられるように、「代」には「代わりとなるもの」「代用」という意味があり、それが無い、つまり「代わりすらも無い」「必要ない」というところから転じたと言われます。
「人格・能力などが劣った者、卑しい者としてばかにする」「見下す」を意味する「蔑む(さげすむ)」とは漢字は同じでもこの場合意味が違うので注意が必要です。
例文を見てみましょう。
1.彼は部活も勉強もどちらも「蔑ろに」はしない男だ。
2.医者の忠告を「蔑ろに」したせいで再入院するはめになった。
3.新しい試験内容のチェックを「蔑ろにする」ことはできない。
4.初級レベルのあなたが、上級者のオススメやヒント、参考書まで「蔑ろに」したなんて信じられない。
「度外視する」
「問題にしないこと」「無視すること」を意味する「度外視(どがいし)する」。
この慣用句は、後漢の光武帝が、自国の法の範囲外にある敵国を自滅すると踏んで無視し、次なる戦争よりも兵士たちの休息を選んだ、という故事から生まれました。「度外」は「法度(はっと=法律や掟)の外」、「範囲の外」や「数に入れないこと」を意味します。
では例文見ていきましょう。
1.採算を「度外視」し、無料で少しの物品を配る。
2.民衆の意見を「度外視する」政策が革命を招いた。
3.利益を生み出せなかったという事実を「度外視」して任務は継続された。
4.複雑な著作権の帰属問題を度外視して、登録ユーザーが権利をシェアするサービスを立ち上げる。
「等閑に付す」の対義語は?
それでは「等閑に付す」の対義語をご紹介していきます。
「意に介する」
「気にかける」「心にかける」を意味する「意に介する」は「等閑視する」の対義語であると言えるでしょう。
「介する(かいする)」とは「人を介する」などといわれるように、「間におく」や「挟む」という意味。
「人の悪口は意に介さない」といったように否定形で使われることの多い言葉です。
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