
「等閑に付す」の語源は?
ここではまず「等閑(なおざり)」の語源を見ていきましょう。
「なおざり(なほざり)」の語源としては「なほ(猶)」+「せざり(さり)」というものがあります。
「相変わらず」、「やはり」を意味する「なほ」に、「しない」という意味の「せざり」または「去り」が合わさってできたという説です。そこに前述の「物事を任せる、託す」という意味を持つ「付す」が付いて「等閑に付す」となります。
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「等閑に付す」の使い方・例文
「等閑に付す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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1.彼は自分の家庭をも「等閑に付」して、話題の動画サイトに熱中した。
2.環境問題が叫ばれる現在、市民からの自然を保護せよという声を、行政の職業として「等閑に付す」わけにはいかない。
3.領土問題を「等閑に付す」ことはできない。
4.社長は部下の意見を「等閑に付」している。
5.彼女は自身の小説の一字一句をも「等閑に付」さない。
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全ての例文に見られるように、この慣用句はネガティブなニュアンスで使われます。
しかし「等閑」という言葉には、「なおざり」や「真剣でないこと」という意味の他にも、辞書によると「深く心にとめないこと」「あっさりしていること」というネガティブなばかりでは無い意味もあるようです。
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ここで二つのよくある間違いを紹介しよう。
「等閑に付す」の読み方は「とうかんにふす」だが、「等閑にする」などと書かれている場合は「なおざりにする」と読まれるので注意が必要だ。
また、「なおざり」と「おざなり」は、どちらも「いい加減な態度」をあらわすため混同されやすい。しかし「おざなり」は「その場逃れにいい加減な言動をする」という意味であり、「なおざり」の「なほ+せざり」とは違ってその行為自体は果たされている、という大きな違いがあるぞ。
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