「二兎を追う」の使い方・例文
それでは「二兎を追う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.あなたと彼女の両方にアプローチして二兎を追うなんて、どちらにもふられて当然だよ。
2.将来のためにと思い、英語検定とファイナンシャルプランナーの勉強を並行してやっていたが、どちらの試験も失敗に終わった。まさに二兎を追う者は一兎をも得ずと言ったところだ。
このように、「二兎を追う」はいっぺんに複数の望みを叶えようとして失敗をしてしまう、と言うシーンで使われます。元々のことわざが、失敗を教訓とする意味なので、「二兎を追う」のは良くない事だと言う、たしなめるようなニュアンスが含まれるからでしょう。
ちなみに、昨今ビジネスの場では、「二兎を追う」をあえて良い事として使っているのを見かけます。これは、「二兎を追う」のはハングリー精神の表れであり、悪い事ではないという考え方で、「二兎を追わぬ者は二兎を得られない」と言うように用いられているようです。
「虻蜂取らず」
「虻蜂取らず」は(あぶはちとらず)と読み、「虻も蜂も取れない」と言うことです。これは、蜘蛛が同時に巣にかかった虻と蜂を両方を捕まえようとしているうちに、どちらにも逃げられてしまうと言う様子を表していると考えられています。つまり、欲張って二つの物に手を出すとどちらも手に入らない、と言う教訓で、「二兎を追うものは一兎をも得ず」と同じ意味ですね。
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