
「並列・添加を表す接続詞5つ」それぞれの意味と使い方。新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!
「それから」
「それから」は、前の事柄の次にくる事柄を示す場合に使います。AとBの間に順序関係がある場面で使用する言葉です。たとえば、以下のように用いることができます。
使用例:
「朝起きて朝食を食べ、それから家を出た」
「軽く社内で打ち合わせをして、それから客先に向かった」
「会社を定時で退社し、それから友人と食事に出掛けた」
「しかも」
「しかも」は、前の事柄に輪をかけて起こった事柄があるときに使う接続詞です。AよりもBの程度が増大している状態を言い表します。たとえば、以下のように用いることができる言葉です。
使用例:
「記録的な大雪で交通機関は麻痺状態だ。しかも停電まで発生した」
「今朝乗った電車は信号機の故障で遅延が発生し車内は満員状態だった。しかも取引先の訪問に遅れ契約が白紙になった」
「面接の結果は散々であった。しかもその帰り、土砂降りの雨でずぶぬれになったとあっては、目も当てられない」
「いっぽう」(一方)
「いっぽう」は、場面や視点を転換するときに使う接続詞です。AとB、それぞれ違った性格の事柄だけれども、関連付けて書きたい場合に使うとよいでしょう。「~しつつ他方では…」ということを表すことができます。たとえば、以下のように用いることができる言葉です。
使用例:
「健康を維持することは自分のためだが、いっぽうでは家族のためでもある」
「彼女の試験の結果を気に掛けるいっぽう、逢うことが待ちきれない自分がいた」
「部員たちはみな、上司の命令にしぶしぶ従った。いっぽう私は、ひたすら黙ってモニターを眺めていた」
繰り返し使うことが可能な接続詞ではありますが、一つの文章の中で何度も使うと、見栄えが良くないものとなりますから気を付けましょう。
例えば
「Aが食事をした。それからBが続いた。しかもCが加わった。いっぽうではDが…」
のような感じになってしまいます。
接続詞で分かりやすい日本語を
以上、添加・並列に分類される、接続詞5つの意味と使い方を紹介しました。
日本語には、100を超える数の接続詞があると言われています。また、似たような意味を持ち、選択に困るケースも多いでしょう。ですが、それぞれ微妙に違った使い方があるので、場面に適した接続詞が使えるようにしておきたいものですね。
接続詞の役割は、文章をより分かりやすくすることです。接続詞を上手に使いこなして、正確で理解しやすい日本語にすることを心がけましょう。