
チャートという岩石は中学校の理科で習うぞ。ですが、チャートと一緒に習う石灰岩という岩石はチャートに似ている部分が多いため、両者を混同する人も多のです。また、チャートという岩石は露頭で見てもすぐにチャートだと判断できるものではなく、身近にあっても見逃している人がとても多のです。
今回はチャートの特徴と石灰岩との見分け方について、地学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。
ライター/オリビン
大学院を地球科学専攻で卒業した岩石大好き人間。趣味は岩石・鉱物収集のため家中に採集した石が転がっている。
チャートとは

image by iStockphoto
チャートは主成分が二酸化ケイ素でできている堆積岩です。二酸化ケイ素は石英と同じ成分をしています。石英と同じ成分でできているということは、チャートはとても硬い岩石なんです。チャートは割とどこでも見られる岩石で、河川敷などでも拾うことができます。チャートはとても硬いため、他の岩石が川を下る間に砕けてぼろぼろになってもチャートは小石として残っていることが多いです。
こちらの記事もおすすめ

3分で簡単「堆積岩」地球の歴史を含んだ岩石を理系ライターがわかりやすく解説
チャートのでき方
チャートを作っているのは、放散虫という二酸化ケイ素の殻をもったプランクトンです。チャートは放散虫が水深3000~4000メートルの海洋底で降り積もってできます。海洋で形成されたチャートはプレートに乗って大陸まで運ばれ、大陸プレートに付加されるのです。これを付加体と呼びます。チャートは海洋底で形成されるため、大陸起源の泥などの不純物は殆どありません。
日本は付加体でできているため、いたるところでチャートの露頭を見ることができます。一見石灰岩と区別することが難しですが、ハンマーで傷をつけようとしたときに岩石の方に傷が付けば石灰岩、ハンマー側に傷が付けばチャートです。露頭でチャートを探す時はこの見分け方を覚えておきましょう。
チャートの色

image by iStockphoto
チャートは基本的に白色ですが、赤・灰色・黒・緑・褐色など様々な色があるため、それぞれが別の岩石と勘違いされることが多いです。チャートの色は不純物として何をどれくらい含んでいるかによって決まります。カラーバリエーションが多いので、色違いのチャートだけを集めても面白いですよ。
\次のページで「チャートの露頭」を解説!/