
端的に言えば「起きて半畳、寝て一畳」の意味は「富貴を望まず、満足を知ることが大切」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。読書好き現役看護師のT.Minamotoを呼んです。一緒に「起きて半畳、寝て一畳」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/T.MINAMOTO
現役看護師として働きながら趣味の読書にて知識を蓄えている。そのため漢字や慣用句の出典などの知識を有する。
[起きて半畳 寝て一畳」の意味は?
「起きて半畳 寝て一畳」には、次のような意味があります。
人間一人が必要な広さは、半畳か一畳である。富貴を望まず満足を知ることが大切であるということ。
出典:大辞林 第四版(三省堂)「起きて半畳、寝て一畳」
畳一畳のサイズは3尺×6尺(910㎜×1820㎜)が基本です。人間一人が起きているときは半畳なので3尺×3尺(910㎜×910㎜)ですね。現代人は江戸時代と比べて身体のサイズが大きくなっているとおもいますので、起きているときはともかく寝て一畳では少し窮屈かもしれませんね。
この言葉は何も身体のサイズのことだけを言っているのではありません。この言葉の後に続けて「天下とっても二合半」と続く場合もあります。天下を取ったからと言って食べられるごはんの量が増えることはありません。自分が食べられる量を超えた米を得たところで食べられなければ、余った米は捨てることになります。たかだか一個人が持てるものには限りがあるのだから、欲張らずにほどほどにするのが良いと戒められているような印象を受けますね。
「起きて半畳、寝て一畳」の語源は?
次に「起きて半畳、寝て一畳」の語源を確認しておきましょう。
この言葉の由来は諸説ありはっきりしていませんが、諺苑(げんえん)が初出とされています。諺苑は江戸時代の国語辞典であり、俗語や俗諺(ことわざのこと)を集めて意味や出典を載せたものです。これを増補したものを俚言集覧(りげんしゅうらん)と言います。どちらも太田全斎の著であり諺苑は寛政9年(1797年)成立、俚諺集覧は成立年未詳です。
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