

端的に言えば後にも先にもの意味は「今までもこれからも」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「後にも先にも」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/ヤザワナオコ
コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。
「後にも先にも」と言いたくなるような珍しい経験は今まであったのか考えてみると、何も思い浮かばず…。なんとも平凡な人生だったなぁと今頃気づいたらしい。この言葉はどんなときに使う言葉なのか、似たような言葉はあるのか、解説してもらう。
「後にも先にも」の意味は?
「後にも先にも」には、次のような意味があります。
以後にも以前にも
出典:デジタル大辞泉(小学館)
過去に例がなくこれからも起こりそうもないという珍しさをを強調する言い方です。
「後にも先にも」の語源は?
次に「後にも先にも」の語源を確認しておきましょう。見てのとおり今を基点にして「過去にも将来にも」というのがもととなりますが、問題が一つ。
「後」と「先」、どちらが過去でどちらが未来を指すのでしょうか。
「後」は「後ろ」と捉えると過去を指し、「今後、以後」なら将来を表します。同様に「先」は「先日、先週」と言えば過去を指し、「先が見えない」は将来を表しますね。
この点が不思議で仕方なく、辞書等いろいろと調べたことがあるのですが、はっきりした根拠を示す説は少なく結論は出ませんでした。ある時点をもとに過去と将来を厳密に観察した結果としてではなく、漠然と「どんな時代にも」「いつの世にも」と捉える程度でよいのかもしれません。曖昧な感じもしますが、そのほうがより「めったにない」という珍しい印象も強まるので、語義にも合っているのではないでしょうか。
「後にも先にも」の使い方・例文
「後にも先にも」の使い方を例文を使って見ていきましょう。どの程度の珍しさの場合に使われているか、想像しながら読んでみてください。「あんなに」「ここまで」と、程度を強調する言葉と一緒に使われることが多いのも特徴です。
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