ヒトの劣性形質とは
ヒトにももちろん優性形質と劣性形質があります。それは顔や体の特徴であったり、病気の種類だったりと多くの形質がありますが、その中でも代表的な劣性形質について紹介しましょう。
色覚異常
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色覚異常は日本人の場合、男性で5%、女性で0.2%の人が発現しているとされる遺伝子疾患です。色覚異常は性染色体のなかでもX染色体上にあるため、X連鎖性遺伝の一つなんですよ。なぜ男性の割合が高いのでしょうか?
色覚異常をもたらす遺伝子は劣性形質です。さらにヒトの場合だと女性はXX、男性はXYの性染色体を持っています。女性だと片方が優性形質であれば色覚異常とはならないのですが、男性だとX染色体が1つしかないため色覚異常の遺伝子が1つでも来てしまうと発症してしまうのです。X連鎖性遺伝子で劣性形質を発現する場合はホモではなくヘミと呼びます。このように、性染色体上にある劣性形質の病気は他にもたくさんあるんですよ。
ABO式血液型
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ABO式血液検査も優性形質と劣性形質があります。皆さんはもう知っているかもしれませんが、AとBが優性でOは劣性です。遺伝の分野で対立遺伝子といえば2種類でてくることが多いですが、血液型は少し特殊で3種類の遺伝子型があります。対立遺伝子が3種類以上ある場合を複対立遺伝子と呼ぶので併せて覚えておきましょう。AかBとOがヘテロ接合すると血液型はA型かB型になりますが、AとBがヘテロ接合するとAB型になりますよね。このように優性形質同士のヘテロ接合体ができた時、どちらの形質も表現型として現れるものを不完全優性と呼びます。
フェニルケトン尿症
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フェニルケトン尿症という病名を知っているでしょうか?この病気はタンパク質の一つであるフェニルアラニンというアミノ酸をチロシンという別のアミノ酸へ変換するための酵素が生まれつき弱い病気です。つまり体内にどんどんフェニルアラニンが蓄積し、その結果色素が作られなくなって髪の毛や皮膚の色が薄くなったり、精神発達に影響が出たりします。フェニルケトン尿症は常染色体で劣性遺伝するものです。最近では赤ちゃんの先天性疾患をチェックできる新生児マススクリーニングの項目に含まれている場合もあるので、早期発見できるようになりました。
他にはどんな劣性形質があるのか調べてみよう
劣性形質とは対立遺伝子とヘテロ接合体になったときに、表現型として表れない形質のことでした。このことはメンデルの法則の優性の法則の中で触れられており、ヒトにも様々な劣性形質が存在していることがわかりましたね。中には難病に指定されているような病気になってしまう劣性形質もありましたが、大体の場合は赤ちゃんのうちに発見できるようになっているので重症化を防げるようになっています。科学技術の進歩はすごいですね。
その他の劣性形質として、まぶたが二重なのか一重なのかや足の人差し指が長いか短いかなど探すとたくさん見つかるので、家族と見比べながらどの形質が劣性遺伝なのか探してみましょう。