
3分で簡単金属の酸化!反応の仕組みを理系学生ライターがわかりやすく解説!
金属の酸化反応
酸化反応についての理解が深まったので、金属の酸化反応について詳しく学んでいきましょう。今回は、数多くある金属の酸化反応の中から、さびが生じる反応・酸化被膜の生成反応・電池の反応の3つをピックアップしてご紹介します。
先ほど、酸化反応について考えるとき、酸素・水素・電子などの原子および粒子の移動に注目することが重要だと述べました。以下の説明でも、これらの原子や粒子の動きに注目して、記事を読み進めてみてくださいね。
さびが生じる反応

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さびが生じる反応は、代表的な金属の酸化反応です。大気中に存在する酸素や水蒸気、金属の表面に付着した水分などと金属原子が化学反応を起こし、ゆっくりとさびが生じますよ。さびが生じることを、腐食と表現することもあります。
例えば、鉄がさびると酸化鉄・水酸化鉄・塩化鉄などになりますよ。鉄がさびると、茶褐色に変化しますよね。この茶褐色の物質が酸化鉄・水酸化鉄・塩化鉄などに該当します。いずれも、反応の過程で、鉄原子が電子を放出する酸化反応です。
金属がさびると、材料としての強度は低下します。これは、金属を使用した建造物などの寿命を縮めることになりますよね。そのため、多くの金属材料には防腐処理がなされています。
酸化被膜の生成反応

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続いて、酸化被膜の生成反応について紹介していきます。この現象は、アルミニウムなどでみられるものです。アルミニウムは空気に触れると、非常に短い時間で表面にうすい酸化アルミニウムの膜を形成します。これが、酸化被膜の生成反応です。
酸化アルミニウムは非常に安定した物質で、これが存在することで、内部に存在するアルミニウムは守られた状態になります。そのため、アルミニウムは腐食が生じにくいとされていますよ。例えば、日光や結露の影響で高温多湿の条件に置かれる窓ガラスのサッシには、アルミニウムが利用されています。
アルミニウムの酸化被膜は自然発生するので、特殊加工などを行う必要もないのです。このような理由から、アルミニウムは安価で腐食対策が不要な材料として、重宝されているのですね。
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