
端的に言えばお茶をにごすの意味は「表面だけ取り繕ってその場を切り抜ける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験したジュリアン・ソレルを呼んです。一緒に「お茶をにごす」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ジュリアン・ソレル
本の虫ライター。多い時だと月間50冊読破する。漢字や熟語、ことわざ、故事が好き。正確でロジカルな文章での解説を心がける。
今回は、単語「お茶をにごす」をベースに、類語の「白日の下に晒す」「一点の曇りもない」などを、意味や語源から例文、また英訳までみっちり解説。
「お茶をにごす」の意味は?
「お茶をにごす」には、次のような意味があります。
1.表面だけ取り繕ってその場を切り抜ける。
出典:大辞林(三省堂)「御茶を濁す」
漢字では「御茶を濁す」と書き、また「茶を濁す(ちゃをにごす)」とも。
「濁す(にごす)」という言葉自体にも、「液体などを澄んでいない状態にする」以外に、「言葉などをあいまいにする」「ごまかす」という意味があります。
「お茶をにごす」の語源は?
「お茶をにごす」という言葉を見ただけでは、ほとんど意味が掴めそうもありません。語源を見てみましょう。
実はこの「お茶」は抹茶を指します。昔は貴族や僧侶など階級の高い人にしか抹茶を点てる技術や心得はなかったため、作法を知らない素人が、正しく抹茶を点てる、のではなくただ抹茶をかきまぜ、濁らせてそれっぽく見せていたことに由来。
他の説としては、お茶会で触れられたくない話題が出た時に、お茶の濁り具合を話題にあげ、その場をしのいだことから、というものも。
また抹茶に限らず、ふさわしくない茶や湯の量、時間などで適当に淹れられ、渋みや雑味のある「濁った」茶を客人に出し、その場を取りつくろうことからという説もあります。
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