
「喉が鳴る」とは「食べたくてたまらなくなる」ことです。食事中、飲料や食べ物を飲み込む時だと勘違いしていないか?しっかり意味や使い方を確認して、使いこなせるようになろう。
今回は語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んです。一緒に「喉が鳴る」を解説していく。

ライター/小島 ヨウ
言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。
「喉が鳴る」の意味と使い方

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「喉が鳴る」とはゴロゴロと鳴るご機嫌な猫の喉ではありません。食べたくてしかたがないといった食欲を比ゆした慣用句です。くわしい意味・使い方をみていきましょう。
「喉が鳴る」の意味
それでは、まず辞書で意味を調べてみます。
ごちそうを目の前にして、ひどく食べたくなる。
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「喉(のど)が鳴(な)・る」より
美味しそうな料理がずらりテーブルに並びました。きれいな盛り付け・香ばしい匂い・ジュージュー焼ける音などで感覚が刺激され、食べたくなって唾液が口内にあふれ、ごくりと飲み込む…これが「喉が鳴る」です。料理を目にして食べる前のリアクションを表しています。
また「喉を鳴らす」も同じ意味。実際には食べていないので「肉を喉を鳴らして飲み込んだ」といった表現はNGです。
「喉が鳴る」の使い方・例文
意味が分かったので、使ってみましょう。
・誕生日のお祝い、豪勢な食卓に喉が鳴る。
・帰宅途中、食堂から漂うカレーライスの匂いに喉が鳴った。
・鉄板の上、熱々ステーキに僕は喉を鳴らした。
いずれの例文も、料理を食べたくて「喉が鳴る」「喉を鳴らす」という表現です。視覚・嗅覚・聴覚でその味を想像して、食べたくてたまらない気持ちを比ゆ的に表しています。
「喉が鳴る」の類義語はなんだろう

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それでは「喉が鳴る」と同じような意味を持つ言葉をみていきましょう。「喉が鳴る」は主に食事や料理に対して使われますが、転じて万物欲しくて仕方がない、といった表現でも使われます。そんなニュアンスを持つ言葉をご紹介しましょう。
「垂涎(すいぜん)」:ほしくてよだれをたらすこと
「垂涎」は「すいぜん」と読みますが「すいせん」や「すいえん」(慣用)もオッケーです。意味は食べたくてよだれをたらすこと・欲しいと熱望すること。難読漢字「涎」の訓読みがよだれで、口から垂れ流れた唾液(だえき)を指します。使い方は「甘党が垂涎するケーキショップ」「ファン垂涎のお宝」などです。
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「食い意地(くいいじ)」:どうして食べたい気持ち
食べ物に執着してむさぼり食べようとする気持ちを「食い意地」といいます。「意地(いじ)」とは心根・やり通そうとする我で、むやみに物を欲しがる気持ち・食べ物への執着心などの意味です。「彼女は食い意地が張っている」「あの子は食い意地が汚い」と使われ、良い意味ではありません。人に分けようとしない、また人の分まで欲しがるような性分に対して嫌味が含まれています。
「喉から手が出る」:欲しくてたまらない
「喉」を使う慣用句「喉から手が出る」は欲しくてたまらない様のたとえです。「喉から手が出るほど欲しいアイテム」「決勝に進むために、喉から手が出るほどこの勝利が欲しかった」といった例文でもわかるように、食べ物よりも物事全般で使われます。
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