
端的に言えば犬の遠吠えの意味は「臆病者が陰口を言うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
大学で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意分野としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたから雑学にも詳しい。一緒に「犬の遠吠え」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル
某国立大で現代日本語学を専攻。毎日の息抜きに犬の画像や動画配信サイトを見ている。気が付くと1時間以上経過していたことも。よって仕事の合間のドッグウォッチングは現在封印中。
「犬の遠吠え」の意味は?
「犬の遠吠え」には、次のような意味があります。
臆病者が陰で空威張りをしたり、他人を非難したりすることのたとえ。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「犬の遠吠え」
この言葉は、「臆病者」が「陰で」空威張りや他人の非難をするという意味です。悪口を言うことすべてが「犬の遠吠え」ではありません。多くのギャラリーの前で声高に自分の主張をして相手をけちょんけちょんに批判する、などの状況ではあてはまりませんので注意しましょう。
「犬の遠吠え」の語源は?
次に「犬の遠吠え」の語源を確認しておきましょう。ズバリ、犬の習性が語源です。
犬の祖先がオオカミなのはご存知ですよね。オオカミは集団で狩りをする動物で、コミュニケーションをとるために遠吠えをします。
遠吠えには種類があり、狩りの開始を伝える連絡や他の群れへのなわばりの誇示、はぐれた仲間を探すなどの目的があるのです。やみくもに大きな声を出しているわけではありません。
しかし、人間のペットとして生活するようになった犬は、時間がたつにつれて違った理由で遠吠えをするようになりました。飼い主に寂しさをアピールする、ストレスがたまった、パトカーなどのサイレンに反応したり犬の認知症などがそうです。
そして弱くて臆病な犬は、強いものから離れて吠えたてます。子犬が散歩の途中で、出会った大型犬にキャンキャン吠えたりしますよね。その様子が陰口を叩く臆病者の様子に例えられ、この言葉ができました。
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