感染症の検査について
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感染症にかかったかどうか調べる手段に、医療機関にて検査を受ける必要がありますよ。これまでの抗原検査に加えて、抗体検査、PCR検査という言葉をよく聞くようになりましたね。それぞれの検査はどのような検査なのか説明していきますね。
抗体検査とは?
抗体検査は、体内でつくられる抗体物質の有無を調べますよ。方法としては、血液を採取し、免疫反応でつくられるタンパク質(抗体)を試薬で検出することです。ウイルスや細菌などによって何かしらの感染症にかかったとき、体内で特定の抗体がつくられます。感染初期には血清抗体価の内でIgMが上昇し、その後IgGが出現しずっと血液中に存在しますよ。その抗体を検出し、陽性か陰性かを判断するため感染初期の検体でも判定が可能になりますよ。よく知られている抗体検査はHIVの抗体検査ですね。
HIVは二種類あって、全世界で流行しているのがHIV-1、西アフリカで流行している極めて感染例が少ないものをHIV-2と言いますよ。HIVは抗体検査よりも結果がはやくわかる抗原検査はできますが、抗原検査はHIV-1しか検査することができません。
抗原検査とは
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抗原検査とはあまり聞いたことがない人が多いかもしれません。ですが、受けたことある人はけっこう多いかもしれません。代表的なものは季節性インフルエンザにかかったときの検査です。通常は咽頭ぬぐい液を採取し、それを検体処理液に入れ、検査キットに滴下し、キットに陽性ラインが出ているかどうかを目で確認し判定します。この検査は30分以内で迅速に判定ができますよ。
PCR検査とは?
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PCR検査のPCRとは、ポリメラーゼ連鎖反応のことですよ。これは、特殊な酵素とプライマーと呼ばれる遺伝子の接着剤みたいなものを使用して絶妙な温度調整でターゲットとなる遺伝子を増幅させて検出することです。DNAの断片を短時間で大量に増やす技術の発見とその功績は称賛され、開発者のキャリー・マリス氏はノーベル賞を1993年に受賞していますよ。感染初期だと体内の病原体の遺伝子の量が十分でないので、PCR法を使って遺伝子を増幅させたとしても検出されない可能性があります。感染症にかかっているのに結果は陰性。このことを偽陰性といいますよ。
疑わしいときは必ず検査を
私たちの体には生体防衛機能が備わっていて、外部からの敵としての抗原が体の中に入ったら、5種類の抗体がそれぞれの特異性に基づいて病原体制圧に取り掛かります。3密の場所に出かけた、感染症の流行地に行った、感染疑いのある人と接触したなどの要因に加えて発熱などの症状が続く様でしたら、是非医療機関を受診してください。検査方法には、抗体検査、抗原検査、PCR検査がありますので、どの検査がいいか(受けられるか)ということと、費用や金額補助についても前もって確認しておきたいところですね。感染症の問題は地球全体の国際的な問題になっていて世界中で関心度が高まっていますね。免疫の働き、抗体と抗原について詳しく知ることができたら、感染症予防にも役に立つと思いますよ。