この記事では「お茶の子さいさい」について解説する。

端的に言えばお茶の子さいさいの意味は「物事が簡単にできること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「お茶の子さいさい」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説を心がける。

「お茶の子さいさい」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「お茶の子さいさい」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「おちゃのこさいさい」です。

「お茶の子さいさい」の意味は?

「お茶の子さいさい」には、次のような意味があります。

「さいさい」は囃子詞 (はやしことば) 物事がたやすくできること。物事が容易にすらすらとできるという意。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「お茶の子さいさい」

この言葉は「ものごとを簡単に成し遂げられること」を意味する慣用句です。「お茶の子」はお菓子のこと。お菓子は一口でパクリと食べることができますよね。パクっと簡単に食べ終えてしまうくらい容易なものごとであることを表現しているのです。

この慣用句を使うと「ものごとを簡単に終わらせることができる」というプラスのイメージを表現することもでき、「もっとできます」とアピールすることも可能でしょう。

「お茶の子さいさい」の語源は?

「お茶の子さいさい」の語源を確認しておきましょう。

「お茶の子さいさい」は「お茶の子」と「さいさい」の2つの言葉からできています。2つの言葉に分解して解説しますね。

1つ目の単語「お茶の子」とは、お客様にお茶と一緒にお出しする「茶菓子」のことを示します。

2つ目の単語「さいさい」とは、俗謡(ぞくよう)の囃子詞(はやしことば)です。「俗謡」とは民謡や童謡のこと。囃子詞は民謡や童謡を盛り上げる掛け声のことを言いますよ。つまり、「さいさい」は童謡や民謡で使われている「よいよい」や「さあさあ」のような掛け声のことなのです。

この「さいさい」。リズムがよく勢いが感じられ声に出して読みたくなりませんか?「簡単にできるよさあさあ」「あっそれっ」「よいよい」という威勢のよい掛け声を用いているため、声に出して読みたくなるのですね。この2つの単語が組み合わさって「お茶の子さいさい」は成り立っているのです。

\次のページで「「お茶のさいさい」の使い方・例文」を解説!/

「お茶のさいさい」の使い方・例文

「お茶の子さいさい」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女の実力を考えれば、カンタンにできるランチレシピ月間ランキングをまとめる仕事はお茶の子さいさいだろう。

2.お婆ちゃんは料理上手。夕飯においしい肉じゃがを作ることなんてお茶の子さいさいだよ。

3.通勤で毎日階段を使い足腰を鍛えているので、一駅歩くことはお茶の子さいさいだ。

「実力に対して、ものごとをたやすく終わらせることができる」というイメージが湧きますでしょうか?裏を返せば、「もっと難しいことができる」「さらにレベルアップしたい」という向上心のニュアンスも伝えることができるでしょう。

しかし、ビジネスの場面において使う時には注意が必要です。取引先との会議で「皆様のおかげで、このプロジェクトは順調に進んでいます。」という会話になることもあるでしょう。

ここで「皆様のおかげで、このプロジェクトはお茶の子さいさいです。」このように言ってしまうと、「仕事を見下している」と傲慢な態度に捉えられてしまうことがあります。「お茶の子さいさい」は家族や友人・同僚など近しい間柄との会話で使うようにしましょう。

また、いずれの例文も「お茶の子さいさい」の部分を「簡単だ」「容易だ」などに置き換えて使うことができますね。言葉を置き換えて例文を味わうこと。これも一つの勉強方法かもしれませんね。

「お茶の子さいさい」の類義語は?

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それでは、「お茶の子さいさい」の類義語についての説明します。

「朝飯前」

「お茶の子さいさい」の類義語には「朝飯前(あさめしまえ)」があります。意味は「朝食を取る前にできるとても簡単なこと」です。朝は時間に余裕がなく通学や通勤準備でバタバタ。このような忙しい朝でも簡単にできるものごとを示しているのです。

「容易だ」「簡単だ」とほぼ同じニュアンスで使われることが多く、「苦労することなく、楽々とこなすことができるものごと」を強調する場合にも用いられますよ。

また、「朝飯前」と聞くと男気や江戸っ子を感じませんか。「朝飯前」の由来は江戸時代と言われています。江戸時代では1日2食という習慣でした。朝ごはんの前はお腹がペコペコ。空腹で体に力が入らない状態ですよね。

「力の入らない場合でも容易に取り組むことのできるものごと」=「簡単にできるものごと」というように発展したのです。江戸時代に由来することから江戸っ子や男らしさ、職人気質を感じるのかもしれませんね。

\次のページで「「お茶の子さいさい」の対義語は?」を解説!/

「お茶の子さいさい」の対義語は?

「お茶の子さいさい」の意味は「簡単にできること」でしたね。反対の意味となると「簡単にはできないこと」となるはずです。それでは、「お茶の子さいさい」の対義語を確認しましょう。

「一朝一夕」

「お茶の子さいさい」の対義語には「一朝一夕(いっちょういっせき)」が考えられます。「一朝一夕」とは「ほんの少しの時間」という意味。

使い方としては「一朝一夕にはいかない」「一朝一夕にはできない」などです。例えば、「このアプリの開発は一朝一夕にはいかない。」このように苦労が伴う、大変なものごとに対して否定的な表現と一緒に使われることが特徴です。

「このアプリは一朝一夕で完成した」というように、肯定的な表現と一緒に使うことはあまりないでしょう。使い方に注意しましょう。

「お茶の子さいさい」の英訳は?

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最後に、「お茶の子さいさい」の英訳をご説明しますね。「お茶の子のさいさい」はどのように英語で表現するのでしょうか?一緒に見ていきましょう。

「 a piece of cake」

英語で「お茶の子さいさい」は「 a piece of cake」と表現します。「1切れのケーキくらい簡単に食べることができる」という意味。

日常生活おいてよく用いられる表現で、「こんなことくらい容易だ」「楽勝だ」というように少しものごとを軽視しているニュアンスを含んでいるようです。

日本語と英語。両者とも「簡単にできるものごと」を食べ物を使って表現していますね。文化は違っているにも関わらず、食べ物という共通のキーワードを使用している点はなかなか興味深いですよね。それだけ食べ物が私たちの生活の身近なものであるということなのでしょう。

「お茶の子さいさい」を使いこなそう

この記事では「お茶の子さいさい」の意味・使い方・類語などをご紹介しました。

「お茶の子さいさい」を使うのはお爺ちゃんやお婆ちゃんの世代というイメージをお持ちのあなた。若い世代にはあまり聞きなれないかもしれませんね。「お茶の子さいさい」は歴史があり、古い世代の人たちには馴染み深い言葉でもあります。

宿題や仕事などものごとがすんなりと終わった際に「お茶の子さいさい」と声に出してみませんか。リズムも歴史も味わえる素敵な言葉。ぜひ、家族や友人との会話で使ってみて下さいね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「お茶の子さいさい」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「お茶の子さいさい」について解説する。

端的に言えばお茶の子さいさいの意味は「物事が簡単にできること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「お茶の子さいさい」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説を心がける。

「お茶の子さいさい」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「お茶の子さいさい」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「おちゃのこさいさい」です。

「お茶の子さいさい」の意味は?

「お茶の子さいさい」には、次のような意味があります。

「さいさい」は囃子詞 (はやしことば) 物事がたやすくできること。物事が容易にすらすらとできるという意。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「お茶の子さいさい」

この言葉は「ものごとを簡単に成し遂げられること」を意味する慣用句です。「お茶の子」はお菓子のこと。お菓子は一口でパクリと食べることができますよね。パクっと簡単に食べ終えてしまうくらい容易なものごとであることを表現しているのです。

この慣用句を使うと「ものごとを簡単に終わらせることができる」というプラスのイメージを表現することもでき、「もっとできます」とアピールすることも可能でしょう。

「お茶の子さいさい」の語源は?

「お茶の子さいさい」の語源を確認しておきましょう。

「お茶の子さいさい」は「お茶の子」と「さいさい」の2つの言葉からできています。2つの言葉に分解して解説しますね。

1つ目の単語「お茶の子」とは、お客様にお茶と一緒にお出しする「茶菓子」のことを示します。

2つ目の単語「さいさい」とは、俗謡(ぞくよう)の囃子詞(はやしことば)です。「俗謡」とは民謡や童謡のこと。囃子詞は民謡や童謡を盛り上げる掛け声のことを言いますよ。つまり、「さいさい」は童謡や民謡で使われている「よいよい」や「さあさあ」のような掛け声のことなのです。

この「さいさい」。リズムがよく勢いが感じられ声に出して読みたくなりませんか?「簡単にできるよさあさあ」「あっそれっ」「よいよい」という威勢のよい掛け声を用いているため、声に出して読みたくなるのですね。この2つの単語が組み合わさって「お茶の子さいさい」は成り立っているのです。

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