
「鬩ぎ合う」互いに対立し争う
「鬩ぎ合う(せめぎあう)」は「互いに対立して争う」という意味の慣用句です。こちらも「鎬を削る」と同様に「同じくらいの力の者同士が争う」というニュアンスが出てきます。「鬩ぎ」を「責めぎ」と書く人がいますが、こちらは誤りなので気をつけましょう。
「火花を散らす」の英語表現は?
続いて、「火花を散らす」の英語表現をご紹介します。実は「火花を散らす」は、英語でも「spark(火花)」という単語を使った表現になるのです。例文も合わせて確認していきましょう。
「throw sparks」
「throw sparks」は直訳では「火花を噴出する」となり、「火花を散らす」という意味を表す英語表現です。「火花を散らす」は侍や武士が刀を激しくぶつけて戦うことから生まれた日本発祥の慣用句ですが、文化が違う英語圏でも同じ「spark(火花)」という単語を使うのは驚きですね。
例文を確認していきましょう。
1.The U.S. and the Soviet Union threw sparks off in a struggle for world hegemony. アメリカとソ連は世界の覇権をめぐって火花を散らした。
2.Ms. Kate and Mr. Smith threw sparks off in divorce court. ケイトさんとスミスさんは離婚裁判で火花を散らした。
他にもある侍や武士が語源の日本語

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今回ご紹介した「火花を散らす」は侍や武士を語源とした言葉でしたが、実は日本語には他にも侍や武士を語源とした言葉がたくさんあります。ここでは、その一部をご紹介していきましょう。
「土壇場」物事の切羽詰まった場面
「土壇場(どたんば)」は「物事の決断を迫られる最後の場面」「物事が最終局面を迎えた状態」という意味の表現です。この「土壇場」は漢字の通り、土で作った壇のある場所のことをさします。この土で作った壇は、武士が罪人の身体を使って刀の試し斬りを行ったり、罪人の首をはねるために使われていました。そこから、物事が最終局面を迎えた状態を「土壇場」と表現するようになったと考えられています。
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