「障子の破れ目から隣の障子の破れ目を笑う」
「猿の尻笑い」の類義語には「障子の破れ目から隣の障子の破れ目を笑う」があります。読み方は「しょうじのやぶれめから となりのしょうじのやぶれめをわらう」です。
隣の障子が破れているのを笑っているが、実は覗いている側の障子も破れているという、まさに「猿の尻笑い」と同じように、自分の欠点に気づかず他人をばかにして笑っているという意味ですね。
「不身持ちの儒者が医者の不養生をそしる」
もうひとつ「猿の尻笑い」の類義語には、「不身持ちの儒者が医者の不養生をそしる」があげられます。読み方は「ふみもちのじゅしゃが いしゃのふようじょうをそしる」です。
「不身持ち」とは、品行が悪い、ふしだらという意味で、「儒者」は儒学を修めた人。「医者の不養生」は、人に養生を勧める医者が、自分は健康に注意しないこと。「そしる」は、悪く言う、非難するという意味です。
つまり「品行の悪い学者が、自分の健康に注意しない医者を非難する。」ということになり、同じように自分の欠点に気づかず他人を馬鹿にするという意味になります。
「目糞鼻糞を笑う」
さらに「目糞鼻糞を笑う」という言葉もあります。読み方は「めくそはなくそをわらう」です。汚い目糞が、鼻糞のことを「汚い」と笑うというたとえで、こちらも同じように自分の欠点に気づかず、他人をばかにして笑うという意味になりますね。
「人の振り見て我が振り直せ」
「猿の尻笑い」の対義語には「人の振り見て我が振り直せ」」がいいでしょう。読み方は「ひとのふりみてわがふりなおせ」です。
「振り」とは、振る舞いのことで、つまり「他人の言動、振る舞いの良し悪しを見て、自分の言動を反省し、直すべきところは改めよ。」という意味になります。
他人の欠点や短所を批判するのではなく、自分自身を省みる機会として捉えようということですね。
他人の短所や欠点が目についたときは、それがヒントになって自分を省みることができるかもしれません。
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