この記事では「雪やこんこん」について解説する。「雪やこんこん」については、そもそも意味を深く考えた事なんてないという奴も多いんじゃないか?歌の入りだしを連想はするものの、詳細は意外と知名度が低く、面白い側面を持つ言葉です。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「雪やこんこん」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「雪やこんこん」ってどんな意味?

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「雪やこんこん」の意味は以下のとおりです。

(「こんこん」は「来ん来ん」で、雪よもっと降れ降れの意) 雪が降るとき、小児がそれを喜んではやしうたう語句。雪こんこん。

出典:コトバンク「雪やこんこん 意味」

簡単に言うと「雪やこんこん」は「雪よもっと降れ」というかけ声です。「こんこん」とは「来い」という意味の方言であり、漢字で書くと「来ん来ん」となります。「雪やこんこ」「雪やこうこう」などと読んだりもしますが、いずれも正確には「来ん来」「来う来う」と漢字で書くことも可能です。

歌の出だしを連想する人が多いと思われますが、歌のために作られた造語と言うわけではありません。日常で使用したからと言って著作権に触れることはありませんので、安心してください。

「雪やこんこん」は調べても意味がわからない?

「雪やこんこん」は検索しても辞書上の意味がなかなか出てこない言葉です。多くの言葉は調べるとまっさきに辞書が表示されますが、「雪やこんこん」は辞書よりも先に、国語についてのWebサイトや歌についてのWebサイトが出てきます。これはつまり、「雪やこんこん」という言葉に対して、厳密な意味を知ろうとしている人が少ないのです。

代わりに楽曲や歌詞の一部として調べている人が相対的に多く、そのせいでさまざまな話題が一度に出てきてしまうため、知りたいことを整理して調べていきましょう。

\次のページで「「雪やこんこん」の使い方とは?」を解説!/

「雪やこんこん」の使い方とは?

「雪やこんこん」に使い方はありません。意味としては「雪よもっとふれ」という意味であり、はやし立てる言葉です。つまり、「このようにして使わねばならない」という決まりがないということになります。

「雪やこんこん」は、それそのものだけで、すでにひとつの文章として完結している言葉。はやし言葉であるため、どうしても使わなければならない場面というものもありませんし、反面いつ使っても構いません。勉強に出るというよりは人生のエッセンスになるような言葉であるため、あまり使い方など気にしすぎず、雪がもっと降って欲しいときなど使いたいときに使いましょう。

「雪やこんこん」についてもっと知ろう!

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「雪やこんこん」は有名な童謡の出だしということもあり、言葉そのものの知名度は高いです。しかし、知っていることとわかっていることは別物。「雪やこんこん」って知ってる?と言われると、「歌の始まりの部分でしょ?」とは返せても、「意味は分かる?」と聞かれると、そこまでは…という人が多いのが現実です。

本記事ではもう少し詳しい部分まで踏み込んで解説します。じっくり学んでください。

意外!歌の始まりは「雪やこんこん」ではなかった?

上記のトピックでもたびたび触れましたが、「雪やこんこん」は歌の出だしとして知っている人も多いでしょう。しかし、実は「雪やこんこん」は歌の出だしではない、ということを知っているでしょうか。よくよく歌詞を見てみると、「こんこん」ではなく「こんこ」となっています。続くフレーズも、あられや「こんこ」が正しい表記です。つまり、私達は普段耳で聞いて「こんこん」と歌っていると勘違いしているに過ぎません。

とはいえ、童謡は子供のものであり、子供は同じフレーズの繰り返しを好むものです。「こんこん」と覚えてしまうのも無理もないことであり、ある意味では子供らしく自然なこととさえ言えるでしょう。

現在における「雪やこんこん」の扱い

現在、「雪やこんこん」は「雪やこんこ」とほぼ同様に扱われています。もちろん意味上はまったく同じですが、童謡などにおいても「雪やこんこん」と表記されるケースが増えてきているのです。

言葉においてはしばしば見受けられることですが、誤用であってもあまりに間違う人が多い場合、「その言い方も正式なものとします」と後から認められる場合があります。「雪やこんこん」はその良い例で、それどころか「雪やこんこ」の方が知名度が低く、知らない人が増えているという逆転現象さえ起こっているのです。

「こんこん」は音の表現にあらず!

「雪やこんこん」の「こんこん」とは、音の表現ではありません。「来る」という言葉が変化したものであり、オノマトペとは別物です。しかし、多くの人が「雪やこんこん」の「こんこん」を雪が降る音の表現のひとつと捉えています。

そのためまれに「雪がこんこんと降る」などという表現が見受けられますが、これは間違いです。「こんこん」とは「来い来い」という意味であるため、「雪が来い来いと降る」という意味になってしまい、文章として破綻してしまいます。注意してください。

\次のページで「「雪やこんこん」の類義語は?」を解説!/

「雪やこんこん」の類義語は?

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「雪やこんこん」には類義語がほとんどありません。本記事を読めば想像は難しくないと思われますが、「雪やこんこん」ははやし言葉。言うなればお決まりのフレーズのようなものなので、意味としてありふれているわけではないのです。

強いて言うのであれば、「雪よふれふれ」などと現代標準語に直した言い方か、「あられやこんこ」などが類義語でしょう。「あられやこんこ」とは、「雪やこんこん」と同様「あられよ来い来い」という意味です。この場合のあられとはお菓子のあられではなく、空から降ってくる「霰(あられ)」のこと。まれに「お菓子のあられのような丸い雪のこと」と勘違いする人も居ますが、誤解です。

【参考】雪のオノマトペについて

雪が降るオノマトペにはさまざまなものがありますが、実際には雪は無音で降ることが多いため、厳密には雪の音ではないというものも多くあります。例えば「しんしん」などはよく使用されますが、この「しん」とは「しんとしている」という静けさを表す「しん」と同様です。つまり「しんしんと雪が降る」という言い回しは、音もなく静かに降っている様子を表しています。

「雪やこんこ」の歌では「ずんずん積もる」という部分もありますが、このずんずんは雪が積もっていく音です。ある程度積もった雪は重みを持ち、ずっしりとするため「ずんずん」が選ばれるのでしょう。

実は知られにくい「雪やこんこん」達

「雪やこんこ、あられやこんこ…」で始まるあの曲は、日本で育った人であればおそらく多くの人が知っているでしょう。しかし、知った気になっているだけで本当の「雪やこんこん」の意味は知らないという人は多いです。

日常何気なく読み書きしたり聞いたりして、なんとなく知っている気になっている言葉でも、改めて調べると知らなかったことがたくさん発見できるのが言葉の面白いところ。「調べなくてもわかるから」と思わず、たまには辞書をひいて言葉で遊んでみるのも面白いでしょう。

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国語言葉の意味

歌の出だしではない?「雪やこんこん」意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

「雪やこんこん」の使い方とは?

「雪やこんこん」に使い方はありません。意味としては「雪よもっとふれ」という意味であり、はやし立てる言葉です。つまり、「このようにして使わねばならない」という決まりがないということになります。

「雪やこんこん」は、それそのものだけで、すでにひとつの文章として完結している言葉。はやし言葉であるため、どうしても使わなければならない場面というものもありませんし、反面いつ使っても構いません。勉強に出るというよりは人生のエッセンスになるような言葉であるため、あまり使い方など気にしすぎず、雪がもっと降って欲しいときなど使いたいときに使いましょう。

「雪やこんこん」についてもっと知ろう!

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「雪やこんこん」は有名な童謡の出だしということもあり、言葉そのものの知名度は高いです。しかし、知っていることとわかっていることは別物。「雪やこんこん」って知ってる?と言われると、「歌の始まりの部分でしょ?」とは返せても、「意味は分かる?」と聞かれると、そこまでは…という人が多いのが現実です。

本記事ではもう少し詳しい部分まで踏み込んで解説します。じっくり学んでください。

意外!歌の始まりは「雪やこんこん」ではなかった?

上記のトピックでもたびたび触れましたが、「雪やこんこん」は歌の出だしとして知っている人も多いでしょう。しかし、実は「雪やこんこん」は歌の出だしではない、ということを知っているでしょうか。よくよく歌詞を見てみると、「こんこん」ではなく「こんこ」となっています。続くフレーズも、あられや「こんこ」が正しい表記です。つまり、私達は普段耳で聞いて「こんこん」と歌っていると勘違いしているに過ぎません。

とはいえ、童謡は子供のものであり、子供は同じフレーズの繰り返しを好むものです。「こんこん」と覚えてしまうのも無理もないことであり、ある意味では子供らしく自然なこととさえ言えるでしょう。

現在における「雪やこんこん」の扱い

現在、「雪やこんこん」は「雪やこんこ」とほぼ同様に扱われています。もちろん意味上はまったく同じですが、童謡などにおいても「雪やこんこん」と表記されるケースが増えてきているのです。

言葉においてはしばしば見受けられることですが、誤用であってもあまりに間違う人が多い場合、「その言い方も正式なものとします」と後から認められる場合があります。「雪やこんこん」はその良い例で、それどころか「雪やこんこ」の方が知名度が低く、知らない人が増えているという逆転現象さえ起こっているのです。

「こんこん」は音の表現にあらず!

「雪やこんこん」の「こんこん」とは、音の表現ではありません。「来る」という言葉が変化したものであり、オノマトペとは別物です。しかし、多くの人が「雪やこんこん」の「こんこん」を雪が降る音の表現のひとつと捉えています。

そのためまれに「雪がこんこんと降る」などという表現が見受けられますが、これは間違いです。「こんこん」とは「来い来い」という意味であるため、「雪が来い来いと降る」という意味になってしまい、文章として破綻してしまいます。注意してください。

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