この記事では「熱が入る」について解説する。

端的に言えば熱が入るの意味は「ある物ごとに熱中すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「熱が入る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「熱が入る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「熱が入る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「ねつがはいる」です。

「熱が入る」の意味は?

「熱が入る」には、次のような意味があります。国語辞典で正確な意味を確認してから、さらに詳しい意味についても見ていきましょう。

1.ある物事に熱中する。

出典:大辞林第三版(三省堂)「熱が入る」

「熱」には、体感として暑いことや物質としての熱などのほか、物ごとに打ち込むこと、あることに精神を集中させることという意味があります。さらには、一つのことに夢中になって気持ちが高ぶった状態を表すこともある語です。

このように、精神面において集中したり熱中したり、場合によっては気持ちが高ぶったり興奮につながるような状態であることが、周りから見てもわかるほどであるという意味を表しています。

「熱が入る」の語源は?

次に「熱が入る」の語源を確認しておきましょう。

「熱が入る」というのは、他人から見てもわかるほど集中している状態のことです。集中しているときには、目つきが変わったり、息づかいが荒くなったり、汗をかいたりということがあります。体質や個人差はあるものの、実際に体温や血圧が上がることはあるぐらいです。

そこから、古い時代から集中している状態は熱を帯びているように見えたと考えられますね。

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「熱が入る」の使い方・例文

「熱が入る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼は中国語のテストに向けて、簡体字のことばや文章の勉強に熱が入っている。
2.地域再生のためにチームを結成し、地域情報をさまざまな媒体で取り上げてもらおうと熱を入れている。
3.剣道の稽古に熱が入ると、動作に磨きがかかり、時間があっという間に感じられる。

内容はさまざまですが、いずれの例文も「熱が入る」を集中したり熱中したりという意味で使っています。例文1.と例文2.では、それぞれの目標に向けて打ち込んでいるようすがわかる文です。

さらに、例文の3.では、より短時間の集中であり、気持ちが高ぶりのめり込んでいるようすが伝わってくる表現になっています。

「熱が入る」の類義語は?違いは?

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それでは、「熱が入る」の類義語についての説明です。集中したり熱中したりする意味を持つ慣用句について、詳しくチェックしていきましょう。

「寝食を忘れる」

「熱が入る」の類義語には、「寝食を忘れる(しんしょくをわすれる)」があります。意味は、寝ることも食べることも忘れて物ごとに集中するということです。集中している物ごと以外には、頭に入ってこないぐらいであるということを表しています。

ほかに、周りや状況が見えなくなるぐらい熱中しているという慣用句は、「我を忘れる(われをわすれる)」「脇目も振らず(わきめもふらず)」などです。いずれもある物ごとに集中して惹き込まれて、周りが見えなくなるような意味合いがあります。

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「根を詰める」

もう一つの類義語には、「根を詰める(こんをつめる)」があります。一つの物ごとに精神を集中させて継続して行うという意味です。「根」は忍耐力や気力のこと、「詰める」は継続して集中することを表しています。

「根を詰める」は集中するという意味合いですが、惹き込まれるというよりも意図的に集中しているニュアンスが強い表現です。こういった表現には、ほかに「寸暇を惜しむ(すんかをおしむ)」もあります。

「熱が入る」の対義語は?

次は、「熱が入る」の対義語についての説明です。対義語として、物事に集中できない意味合いの慣用句について一緒に見ていきましょう。

「手に付かない」

「熱が入る」の対義語には、「手に付かない(てにつかない)」があります。意味は、ほかのことに心が奪われて集中できないということです。「手」は仕事をするということ、「付く」はある働きが活動を始めるということを表しており、仕事が始められないという意味につながります。

やるべきことがあってやろうとするものの、ほかのことに気になったり、気持ちがふわふわしてすすまないということです。「その知らせを聞いて、仕事が手に付かない」といった使い方ができます。

「上の空」

もう一つの対義語には、「上の空(うわのそら)」があります。ほかのことに心が奪われて、当面のことに集中できないようすという意味です。「心空なり」という形容動詞から「空なる心」に転じ、これを強調する形で「うわの空なる心」となったと言われています。

例文としては「彼は明日のコンピューターシステムのプレゼンのことで頭が一杯で、話しかけても上の空だ。」といったものがあり、聞いているのか聞いていないのかわからないようすが感じられますね。

「熱が入る」の英訳は?

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最後に、「熱が入る」の英訳についての説明です。言語の違いから、日本語の表現とはイメージに差はありますが、意味合いとして関連する英単語を使った表現を見ていきましょう。

「be keen on …」

「熱が入る」の英訳には、「be keen on …」があります。直訳すると「…に熱中する」で、何かに熱中したり夢中になったりするという意味です。「keen」には「鋭い、厳しい」という意味のほか、「熱心な、やる気のある」という意味もあります。

その他、「be passionate about …」という表現もあり、同じく「熱心である、夢中だ」という意味合いで使用できる表現です。

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「熱が入る」を使いこなそう

今回の記事では「熱が入る」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「熱が入る」の基本の意味は、ある物ごとに集中するということです。周りから見ていても、目つきや顔つきなどから集中しているようすが伝わってくるということがもとになっています。一方で、類義語の「寝食を忘れる」や「脇目も振らず」などでは、目つきや顔つきよりも長時間何らかの取り組みを維持しているようすなどから熱中していることがわかる表現です。

同義語となる慣用句については、熱中していると考えられる理由から分類して使い分けるといいですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「熱が入る」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「熱が入る」について解説する。

端的に言えば熱が入るの意味は「ある物ごとに熱中すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「熱が入る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「熱が入る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「熱が入る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「ねつがはいる」です。

「熱が入る」の意味は?

「熱が入る」には、次のような意味があります。国語辞典で正確な意味を確認してから、さらに詳しい意味についても見ていきましょう。

1.ある物事に熱中する。

出典:大辞林第三版(三省堂)「熱が入る」

「熱」には、体感として暑いことや物質としての熱などのほか、物ごとに打ち込むこと、あることに精神を集中させることという意味があります。さらには、一つのことに夢中になって気持ちが高ぶった状態を表すこともある語です。

このように、精神面において集中したり熱中したり、場合によっては気持ちが高ぶったり興奮につながるような状態であることが、周りから見てもわかるほどであるという意味を表しています。

「熱が入る」の語源は?

次に「熱が入る」の語源を確認しておきましょう。

「熱が入る」というのは、他人から見てもわかるほど集中している状態のことです。集中しているときには、目つきが変わったり、息づかいが荒くなったり、汗をかいたりということがあります。体質や個人差はあるものの、実際に体温や血圧が上がることはあるぐらいです。

そこから、古い時代から集中している状態は熱を帯びているように見えたと考えられますね。

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