この記事では「目が回る」という言葉を説明する。
「目が回る」は文字通り、目が回ってくらくらすること、また忙しい様を表現する慣用句です。話し言葉・文書でもよく使われるからしっかり理解しよう。
今回、語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んです。一緒に詳しい意味や使い方、例文などを解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。

「目が回る」の意味と使い方

image by iStockphoto

「目が回る」は慣用句、比ゆ的な表現と思う方も多いと思いますが、実際に「目が回る」症状もあります。どうゆう状態なのか、意味を詳しくみていきましょう。

「目が回る」の意味

では「目が回る」の意味を辞書で調べてみます。

1.めまいがする。目がくらむ。
2.非常に忙しいようすの形容。

出典:デジタル大辞泉(小学館)(めがまわ・る【目が回る】)

1.の意味「めまい」は天井や床また自分がくるくる回っている感覚で誰にでも起こります。回転性の遊具に乗った後、ふらふらするのが「目が回っている」状態、しばらくすると落ち着きますが気持ち悪いですよね。耳の病気、免疫力の低下、ストレスからめまいを起こすことがあります。ひどい場合は医療機関に受診しましょう。

2.「目が回る」は忙しいことのたとえ、よく使われています。

「目が回る」と「目を回す」の違い

「目」が使われる慣用句は多々ありますが。「目が回る」と意味が混乱する慣用句が「目を回す」ではないでしょうか。「目を回す」は気絶・気を失うこと、そして比ゆ的に使われる場合は忙しすぎてあわてふためくこと。よって「目が回る」よりも「目を回す」の方が重症、意味が重大です。気を失うほどあれこれ忙しい状態なんて、おそろしいですね。

「目が回る」の使い方・例文

では、意味が分かったので、使って確認しましょう。

1.激しい運動で脱水症状になり、目が回った。
2.仕事納めの師走、目が回るように忙しかった。
3.新生児と家事に仕事、新米ママは目が回るようだった。

1.は単純に「めまい」としての例文。熱中症を予防するためにも水分補給は重要ですね。2.と3.は「忙しさ」を表現する比ゆ的な用法です。「目が回る」だけでも表せますが、「目が回るように忙しい」と強調形容する表現でよく使われます。

\次のページで「「目が回る」の類語はなんだろう?」を解説!/

「目が回る」の類語はなんだろう?

image by iStockphoto

「めまい」は「気が遠くなる」「立ちくらみ」「よろめく」などが意識がぼんやりした様の表現で言い換えられますね。「忙しさ」を表す言葉は仕事・勉強・することが多いなどそのシチュエーションによって多々あります。それでは「目が回る」の二つの意味からそれぞれピックアップした言葉を説明しましょう。

目がくらむ:めまい・心を奪われる

辞書で調べた意味にもある「目がくらむ」は漢字で書くと「目が眩む」、まぶしさやおそろしさでめまいがすることです。「高層ビルの屋上からの景色に目がくらんだ」「ヘッドライトに目がくらんだ」と使われます。

先に桜木先生が説明された「眩」の漢字にはほかにも、まどう・たぶらかすという意味が。そこから「大金に目がくらんだ」「儲け話に目がくらむ」など強くひきつけられて判断力が乱れることを表現。また「目くるめく(目眩く)」も同じく魅了され心が奪われてしまう様を表し、「目くるめく展開」「目くるめく耽美な世界」と用いられます。

てんてこ舞い:非常に忙しい

「てんてこ舞い」とは祭囃子の小太鼓の音に合わせて舞い踊る意味から転じて、忙しく慌てて働くこと。「長期休暇の前は仕事でてんてこ舞いだ」「引っ越しの準備にてんてこ舞いする」と使われます。

「きりきり舞い」も同じように、やることが多々あって慌ただしく働きまわることの意味です。そもそもの「きりきり舞い」とは片足をあげて勢いよくまわること。バレエの回転技、片足で勢いを付けながらもう片足でくるくる回る動きを思いますね。

「目が回る」の対義語は?

image by iStockphoto

「めまい」の「目が回る」と相反する言葉は難しいですね。しいていえば「しっかり」や「はっきり」が対義語に準じる状態ではないでしょうか。「しっかりとした気分」「意識がはっきりしている」など、心身が健全、しゃんとして覚醒している様を表せます。

一方「忙しい」意味の反対語はずばり「暇(ひま)」でしょう。ここでは時間があることを表す言葉をご紹介します。

退屈(たいくつ):時間を持て余すこと

「退屈」とはすることがなくて時間を持て余すこと・飽きて嫌気がさすこと、などの意味です。「予定が白紙になり退屈な休みだった」「聞くだけの講義は退屈だ」と使われます。

「退屈」の語源は実は仏教から。修行の苦難に気持ちが後退し、心が屈してしまう状態を「退屈」といいました。そこから疲れて何をするのも嫌になることを表す言葉となり、暇を持て余す、飽きるなど意味が広がったのです。

徒然(つれづれ):することがなくて退屈

「徒然(つれづれ)」は兼好法師の随筆「徒然草」で有名ですね。することがなくて退屈、物思いにふける、しんみりとして寂しい、などの意味があります。

そもそもは「連れ連れ」の漢字で手持ち無沙汰の意味、「徒然」は「とぜん」と読んでむなしいことや退屈なことをいいました。それが上記の「徒然草」で「徒然」を「つれづれ」の当て字にしたことで読み方が広がったという説があります。「徒然」は熟語で「つれづれ」と読み、「徒」や「然」が単独で「つれ」とは読みません。

「目が回る」の英単語は「dizzy」

image by iStockphoto

さて「目が回る」を英訳してみましょう。筆頭の単語は「dizzy」、慣用句的な表現なら「head is spinning」です。詳しくは「「目が回る」を英語でどう表現する?」という記事をご確認ください。

ここでは「dizzy」の類語と、よりシンプルに「忙しい」という意味の単語をご紹介します。

「giddy」:目が回る

「giddy」は目が回ると訳され「dizzy」と同じ使い方をする英単語。また「head is spinning」とよく似た意味の「lightheaded」は酔っぱらう、熱中症などで目が回る、忙しくてくらくらするという時も有効です。いずれもレベル上の英単語なのでなじみがないかもしれませんね。

「busy」:忙しい

「busy」はおなじみ、忙しいと訳される一般的な単語です。「忙しい」のは仕事とは限りませんので勉強や家事、今は明日は…など理由や日時と一緒に使いましょう。

多忙なら「hectic」、てんてこ舞いとも訳されます。また口語で「be tied up」も忙しいの慣用句的表現、「tie」は縛るの意味でその状態に縛られ手が離せない、というイメージです。

・I'm busy,so my head is spinning.(忙しくて、目が回るよ)
・His work is very hectic.(彼の仕事は超忙しい)
・She is tied up with childcare every day.(彼女は毎日子育てで忙しい)

「目が回る」ことのないよう、がんばりすぎに注意

この記事では「目が回る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目が回る」の意味は二つ、めまい、忙しい状態のたとえであること。類語は多々あり、英訳は「dizzy」であることが分かりました。

めまい、多忙、いずれにせよ「目が回る」ことは体に負担がかかっています。「目を回す」前に適度に休息をとることが必要、体調に留意しましょうね。

" /> 「目が回る」とめまい「目を回す」と気絶、忙しいのはどっち?意味や使い方・類語などを語学系主婦ライターがわかりやすく解説 – Study-Z
国語言葉の意味

「目が回る」とめまい「目を回す」と気絶、忙しいのはどっち?意味や使い方・類語などを語学系主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では「目が回る」という言葉を説明する。
「目が回る」は文字通り、目が回ってくらくらすること、また忙しい様を表現する慣用句です。話し言葉・文書でもよく使われるからしっかり理解しよう。
今回、語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んです。一緒に詳しい意味や使い方、例文などを解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。

「目が回る」の意味と使い方

image by iStockphoto

「目が回る」は慣用句、比ゆ的な表現と思う方も多いと思いますが、実際に「目が回る」症状もあります。どうゆう状態なのか、意味を詳しくみていきましょう。

「目が回る」の意味

では「目が回る」の意味を辞書で調べてみます。

1.めまいがする。目がくらむ。
2.非常に忙しいようすの形容。

出典:デジタル大辞泉(小学館)(めがまわ・る【目が回る】)

1.の意味「めまい」は天井や床また自分がくるくる回っている感覚で誰にでも起こります。回転性の遊具に乗った後、ふらふらするのが「目が回っている」状態、しばらくすると落ち着きますが気持ち悪いですよね。耳の病気、免疫力の低下、ストレスからめまいを起こすことがあります。ひどい場合は医療機関に受診しましょう。

2.「目が回る」は忙しいことのたとえ、よく使われています。

「目が回る」と「目を回す」の違い

「目」が使われる慣用句は多々ありますが。「目が回る」と意味が混乱する慣用句が「目を回す」ではないでしょうか。「目を回す」は気絶・気を失うこと、そして比ゆ的に使われる場合は忙しすぎてあわてふためくこと。よって「目が回る」よりも「目を回す」の方が重症、意味が重大です。気を失うほどあれこれ忙しい状態なんて、おそろしいですね。

「目が回る」の使い方・例文

では、意味が分かったので、使って確認しましょう。

1.激しい運動で脱水症状になり、目が回った。
2.仕事納めの師走、目が回るように忙しかった。
3.新生児と家事に仕事、新米ママは目が回るようだった。

1.は単純に「めまい」としての例文。熱中症を予防するためにも水分補給は重要ですね。2.と3.は「忙しさ」を表現する比ゆ的な用法です。「目が回る」だけでも表せますが、「目が回るように忙しい」と強調形容する表現でよく使われます。

\次のページで「「目が回る」の類語はなんだろう?」を解説!/

次のページを読む
1 2
Share: