この記事では「青雲の志」について解説する。

端的に言えば「青雲の志」の意味は「高い地位を目指す志のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

毎年60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「青雲の志」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「青雲の志」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「青雲の志」の意味や使い方を見ていきましょう。

「青雲の志」の意味は?

「青雲の志」には、次のような意味があります。

功名を立て、立身出世をしようとする志。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「青雲の志」

「青雲(せいうん)」とは「青空」のこと。よく晴れた青い空をイメージするとよいでしょう。ほかにも、地位や学徳が高いことを「青雲」と例えることができます。学徳とは、学問と徳行のこと。徳行とは道徳にかなった行為、すなわち「正しい行い」だと考えてください。「志(こころざし)」とは「心に決めた目的」や「目指す気持ち」という意味です。

「青雲の志」は、簡単に言ってしまえば、人に誇れるような地位を目指すということ。社会的に高い地位に就こうとする志のことを「青雲の志」と言うようになりました。四字熟語で「青雲之志」と書いても問題ありません。

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「青雲の志」の使い方・例文

「青雲の志」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.若い頃は、青雲の志を抱いて上京したものだよ。

2.起業するならば、青雲の志を忘れてはならない。

3.青雲の志に燃えていた私は、難関校合格を目指すと決めた。

「青雲の志」は、会話で使うというよりは、「青雲の志を抱く」と表現するように、目標を掲げる際に用いられることが多いといえます。ほかにも座右の銘や、目標達成の心構えなどとして使ってもよいですね。どこまでも続く果てしない青空と同様に、志が高ければ高い人ほど、夢実現も可能なはずです。自身の能力をおごらず、努力を続けるためには「志」は欠かせません。成し遂げたい夢があるならば、「青雲の志」を使って目標を掲げてみてください。

「青雲の志」の類義語は?違いは?

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では、「青雲の志」の類義語や違いをみていきましょう。

「風雲の志」

「青雲の志」は「青空」で志の高さを表現していましたが、「風雲の志」は違います。「風雲」とは、竜が風と雲を得て昇天するように、知力や勇気が優れている人が頭角を現すチャンスのこと。「風雲の志」は、竜が天高く昇る姿のように、チャンスを得て成功を掴み、出世しようとする志のことを差します。

たとえば、世の中には思いがけない出来事や事件が起こり、場合によっては巻き込まれてしまうこともあるでしょう。しかし、そのような変事をチャンスと捉え、事業を成功させていこうと目指す。そのような志を「風雲の志」と表現することができます。戦国時代によく使われていたようですが、現代でも使える言葉といえますね。

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「大志」

「大志(たいし)」とは文字通り、大きな志のこと。「大志」を使った例文は、クラーク博士が生徒に送った言葉「少年よ、大志をいだけ」が有名です。「志」の意味は、自分は何になりたいか心に決めることなので、「大きな志をもつことで夢は叶う」のだと伝えたかったのでしょう。

では、なぜ「大志」が重要なのでしょうか。目的や目標を達成するためには、まず心持ちが大事だといえます。大きな目標であればあるほど障害は多く、周囲から非難されることもあるでしょう。だからこそ、多くの人は失敗を恐れ、自分の価値を低く見積もり、いつしか志すらも捨ててしまうのです。しかし、人生は一度きり。後悔のない人生を送るためには、「大志」は欠かせないのではないでしょうか。

「青雲の志」の対義語は?

「青雲の志」は「立身出世しようとする志」という意味でした。反対の意味となると「志が低い」となるはずです。そこで今回は「意志が弱い」という意味合いで「青雲の志」の対義語をみていきましょう。

「薄志弱行」

「薄志弱行」は「はくしじゃっこう」と読みます。意味は、意志が弱く、消極的で決断力が乏しいこと。「薄志弱行」は2つの言葉から構成された四字熟語で、「薄志」とは「弱い意志」という意味。「弱行」は「実行力が弱い」という意味になります。

物事を最後まで成し遂げるためには「気力」が欠かせません。気力とは、どのような困難にも屈せず物事をやり通す精神力のこと。「薄志弱行」だと、いくら体力があったとしても、決断力や気力がなければ物事が長続きしにくいといえます。鋼のメンタルを手に入れる必要はありませんが、「薄志弱行」と言われるのは避けたいところですね。

「意志薄弱」

「意志薄弱(いしはくじゃく)」は「忍耐や決断力が足りない」という意味になります。「薄弱」は、体力や意志が弱いこと。ほかにも、はっきりしない様子を「薄弱」と表現することができます。「青雲の志」でもご説明した通り、物事をやり遂げようとする気持ちがなければ、目標を掲げたとしても意味がありません。だからこそ「志」が欠かせないといえます。

「意志薄弱」な人とは、物事をやり遂げようとする気持ちが足りず、自分で決断を下すことができません。また、自分に自信がないといえるのではないでしょうか。物事をやり抜くためには、気力と自信が必要です。「意志薄弱」とならないためには、ハードルを下げて、今の自分で無理なく挑戦できることから始めてみましょう。そうすれば、達成することで自信にも繋がり、「意志薄弱」な性格にならずに済むはずですよ。

「青雲の志」の英訳は?

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では、「青雲の志」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「great ambitions」

「青雲」を「blue sky」と英訳して表現しようとしても、意味は伝わりにくいはずです。そこで、意味の「立身出世をしようとする志」、すなわち「大きな野心」を英訳してみましょう。「ambitions」は「大志」や「野心」という意味。「great ambitions」を直訳すると「大きな野望」となり、「青雲の志」として使うことができるでしょう。「青雲の志を抱く」を英訳するならば「have great ambition」と表現することができますね。

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「青雲の志」を使いこなそう

この記事では「青雲の志」の意味・使い方・類語などを説明しました。「青雲の志」は「社会的に高い地位を目指す志」という意味であることから、人によっては「野心のかたまり」といった印象を持たれるかもしれません。しかし、「青雲」には学徳が高いという意味もあるため、「徳が高い人」や「人格者」を目指す志でもあるといえます。そのため、運よく成功して大金や地位を手に入れたとしても、人に誇れるやり方でなければ「青雲の士」とはいえないのではないでしょうか。

「青雲の志」を抱くことで情熱が湧き上がり、成功への大きな一歩となるはずです。前向きになれる言葉として、ぜひ「青雲の志」を使ってみてください。

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【慣用句】「青雲の志」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「青雲の志」について解説する。

端的に言えば「青雲の志」の意味は「高い地位を目指す志のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

毎年60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「青雲の志」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「青雲の志」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「青雲の志」の意味や使い方を見ていきましょう。

「青雲の志」の意味は?

「青雲の志」には、次のような意味があります。

功名を立て、立身出世をしようとする志。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「青雲の志」

「青雲(せいうん)」とは「青空」のこと。よく晴れた青い空をイメージするとよいでしょう。ほかにも、地位や学徳が高いことを「青雲」と例えることができます。学徳とは、学問と徳行のこと。徳行とは道徳にかなった行為、すなわち「正しい行い」だと考えてください。「志(こころざし)」とは「心に決めた目的」や「目指す気持ち」という意味です。

「青雲の志」は、簡単に言ってしまえば、人に誇れるような地位を目指すということ。社会的に高い地位に就こうとする志のことを「青雲の志」と言うようになりました。四字熟語で「青雲之志」と書いても問題ありません。

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