
「煮え湯を飲まされる」の使い方・例文
「煮え湯を飲まされる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・大震災が起こったあと、近くに住む祖母に日々の生活用品を勝手に持って行かれて、まさか身内に煮え湯を飲まされるとは思ってもみなかった。
・普段からあれだけ親切にしていた友人に、好きだった女の子を取られてしまい、煮え湯を飲まされるとともに大きく失望した。
・多くの世話をして雇った部下だったのに、提出していた履歴書はほとんど嘘でキャリアも実力も皆無だったことが後からわかり、煮え湯を飲まされた気分だ。
「裏切られて、ひどい目に合った」というニュアンスが伝わりますでしょうか。意味の解説の項でも記載しましたが、ただ「ひどい目にあう」という意味で使うのは誤りです。
たとえば「あいつには昔から何度も煮え湯を飲まされてきたんだ」という言い方はいかにも出来そうですが、「裏切られて」という意味がない場合は間違いということになります。
「熱湯を飲まされるようなひどいこと」ではなく、「それほど悔しい。予想してすらいなくてショックだった」というニュアンスで覚えましょう。
出来事そのものよりも、人と人との関係を大切に考えるのは古くからの日本的、もしくは中国的思想の表れと考えることも出来ますね。身内や主従関係での裏切りがどれほど罪が重かったのか想像してみると「煮え湯を飲まされる」辛さがイメージできるかもしれません。
「飼い犬に手を噛まれる」
「飼い犬に手を噛まれる」は「面倒を見てやった相手から、思いもかけず害を受ける」こと。
「飼い犬に」と言っているため、こちらのほうがより「裏切られた」というニュアンスが強く感じられますね。相手を下に見ているような、上下関係も読み取れるでしょう。
「煮え湯を飲まされる」では、裏切った相手との関係については言及されません。細かい点での違いですが、使い分けまで意識できるといいでしょう。
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