
「空気のような」
・サラにとって、5年間付き合ってきたジェームスは、もう空気のような存在だ。
「儚げな」
・彼女が時折見せる憂いを帯びた表情はどこか儚げで、目を離せなくなった。
「影が薄い」の対義語は?
「薄い」の反対は「濃い」なので、「影が薄い」の対義語は「影が濃い」だと思ってしまいそうですが、一般的にそのような言葉は使いません。完全なる間違いとは言えませんが、広辞苑にも記載がない以上正式な日本語という観点で言えば誤用となってしまうでしょう。
「影が薄い」の対義語として無難なのは「存在感のある」あるいは「生命力に満ち溢れた」などでしょう。前者は「存在感の小ささ」の意味に、後者は「生命力の弱さ」の意味に対応した対義語です。
「影」を使った表現は他に何があるの?

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今回紹介した「影が薄い」。それに関連して、「影」を用いた慣用句をふたつ紹介したいと思います。取り上げるのは「影も形もない」と「影を落とす」。是非併せて覚えてくださいね。
「影も形もない」
「影が薄い」と似たような「影」の使われ方をしている慣用句が「影も形もない」です。「元々そこにあったものが痕跡を残さずなくなっている」という意味合いで使用されます。存在という意味で影が使われているのが「影が薄い」との共通点だと言えますね。
そしてこの慣用句は「跡形もない」と言い換えることもできます。
・つい先日まで家の近くに建っていたスケートリンクは、今では影も形もない。
「影を落とす」
こちらは存在とは異なった「影」の使い方をした慣用句です。「影を落とす」にはふたつの意味があります。ひとつは「ものに光が当たり、影ができる」という影本来の性質の描写としての用途。もうひとつは「影響を及ぼす」という意味です。影が存在ではなく影響として扱われている点が「影が薄い」と異なっていますね。
また、ふたつ目の意味で使われる際は、基本的に悪い意味で使われます。
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