
「影が薄い」の使い方・例文
「影が薄い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.あのお笑いコンビは、ボケがツッコミに対して影が薄い。
2.タケシくんはネット上では伝説の勇者だが、クラスでは人気がなく、影が薄い。
3.かつての部下が倒れたと聞いて彼の見舞いに行ったら、影が薄くなったような気がして胸が締め付けられた。
例文の1.2と3で別の使い方をしたことにお気づきでしょうか。
1.2では存在感の小ささ、3では生命力の弱さを表しているという違いがあります。一般的に馴染みがあるのは前者の使われ方ではないでしょうか。「あいつ影薄いんだよなー」と言っているのを聞いて、「あいつは死んでしまうのかもしれない」と思うことはまずないでしょう。
そのような意味で言うと、3は限定的な使用例だということにお気づきいただけるかと思います。生命力について言及する用法は基本的に死を意識するような場面でしか用いられないからです。
つまり、「影が薄い」という表現が使用された際、それがどちらの意味であるかを読み解く鍵は「死の存在」だと言えます。それがなく、通常の状況で使われる「影が薄い」は基本的に存在感について言及しているものと解釈しましょう。
「影が薄い」の類義語は?違いは?

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「影が薄い」を「存在感がない」や「生命力の感じられない」と言い換えることができるのはもちろんですが、今回はそれ以外に「空気のような」と「儚げな」というふたつの表現を紹介したいと思います。
「空気のような」「儚げな」
空気は無味無臭。私たちはそれを吸ったり吐いたりしていますが、そのことに意識を向けることはあまりありません。しかし、空気がないと私たちは死んでしまいます。そのことから、存在を意識しないけれど大事な存在について言う時に「空気のような」という表現を使うのです。
そして「儚げな」という表現は存在感の希薄さを風流さという魅力に換言した表現だと言えます。恋愛系のサイトで「儚い女子になる」「儚さを出すには」といった記事が度々投稿されることからもプラスな印象の言葉であることがわかりますね。
では、例文からもふたつの表現の違い、「影が薄い」との違いを読み取ってみましょう。
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