この記事では「地震の揺れの種類・大きさ・仕組み」について、登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」の授業をもとに記事にまとめたぞ。

日本人にとって地震は珍しいものではなく、比較的身近な自然現象でしょう。ときに大変な被害も生み出す地震のしくみを知っておくのは、とても重要なことです。

ライターのオノヅカユウともに、動画の内容をわかりやすく解説していく。

ライター/小野塚ユウ

この記事の「とある男が授業をしてみた」×「ドラゴン桜」のコラボ記事執筆を担当。自身も大学での研究経験を活かし、現役講師として活動している。

登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」とコラボ!

今回の記事は、人気講師YouTuberの再生回数49万回の授業をもとにまとめています。

また、これらの動画の内容も含まれています。ほかにも中学生・高校生向けのわかりやすい授業が多いので、ぜひ見てくださいね。

地震のゆれの伝わり方

まずは動画内のイラストを見てみましょう。

image by Study-Z編集部

私たちが感じる地震は、地中で起きたものがゆれとして伝わってきたものです。地中の地震が起こった地点を「震源(しんげん)」といい、そのちょうど真上のところを「震央(しんおう)」といいます。

また、地震が観測されたとき、その観測点から震源までの距離が「震源距離(しんげんきょり)」です。

震源で起きた地震は波のように広がっていきます。じつは、地震のゆれは2種類にわけることができるのです。

\次のページで「2種類のゆれ」を解説!/

2種類のゆれ

2つの地点で地震を観測したときの例を使って、2種類のゆれについて学びましょう。

ある地点(観測点A)では、初めに小さなゆれ(a)を観測した後、激しい大きなゆれ(b)が観測されました。

この時、aのような先に来る小さな揺れを「初期微動(しょきびどう)」、bのような後から来る大きな揺れを「主要動(しゅようどう)」といいます。

初期微動を伝える波を「P波」、主要動を伝える波を「S波」といいます。P波の”P”は”Primary(初めの)”の頭文字、S波の”S”は”Secondary(2番目の)”の頭文字です。

また、P波が伝わってから、遅れてくるS波が伝わってくるまでの時間(=初期微動だけが観測されている時間)のことを「初期微動継続時間」といいます。

さて、初めの例とは別の場所(観測点B)で同じ地震を観測したところ、初期微動も主要動も、初めの地点よりやや遅れて始まりました。さらに、初期微動継続時間も長いことが分かります。震源から遠い場所は、P波が遅れて伝わるだけでなく、初期微動継続時間が長くなるのです。

計算問題を練習してみよう!

先ほどの観測点A、Bの例を使って、計算問題を練習してみましょう。

観測点Bでの初期微動継続時間は?

初期微動継続時間は”初期微動が始まった時刻から主要動が始まった時刻”の間になりますので、それぞれが観測された時間から引き算で秒数を求めてあげましょう。

P波の速さは?

速さを求めるには、”距離÷時間”をすればいいですね。

観測点Aから観測点Bまでの距離が216kmです。その距離をP波がどれくらいの時間をかけて移動したのかは、観測点AにP波が届いた時刻(=初期微動が始まった時刻)と、観測点BにP波が届いた時刻(=初期微動が始まった時刻)の差を求めればよいことになります。

地震が発生したのは、何時何分何秒?

\次のページで「地震のゆれの大きさ」を解説!/

先ほどの問題で、P波の速さが求められました。観測点Aは震源から108km離れていることが分かっていますので、”距離÷速さ”をすれば、P波が震源から何秒かけて観測点Aにたどり着いたかが求められるのです。今回の例では15秒という計算結果になっています。

地震の発生時刻を知るには、初期微動が始まった時刻から15秒引けばよいです。15秒前に発生した地震の波が、観測点Aに届いたのが”初期微動始まった時刻”なのですから。

地震のゆれの大きさ

地震のゆれの強さは「震度(しんど)」で表します。ニュースなどで聞いたことがあるかもしれませんね。日本では10段階に分けられています。

地震の波の到着時刻が同じ地点を結ぶと円形になります。

ただ、震源からの距離が同じ地点だからといって震度が同じになるとは限りません。なぜかというと、地盤の性質が違うためです。

地震のエネルギーの大きさ(地震の規模)は「マグニチュード」という数値で表します。マグニチュードが大きいと、大きな揺れの伝わる範囲が広くなるのです。震度とマグニチュードは違うものなので気をつけましょう。

地震の影響

大きな地震が起きると、地面に様々な影響があるのは、皆さんご存じのとおりです。

地震によって大地が持ち上がることを「隆起(りゅうき)」、大地が沈み込むことを「沈降(ちんこう)」といいます。

また、海では「津波(つなみ)」がおきたり、急に地面がやわらかくなる「液状化現象(えきじょうかげんしょう)」が生じることもありますね。

震央とゆれの関係を図で書く練習

地図上に震央と、各地点で地震が観測された時間差が表示されている問題がよく出ます。地震の波は震源から円を描くように広がっていくので、震央とのゆれの時間差を考えながら円を書くようにしましょう。

image by Study-Z編集部

\次のページで「地震が起きるしくみ」を解説!/

地震が起きるしくみ

最後に、なぜ地震というものが起きるのかを学習しましょう。

日本付近では、日本列島と「日本海溝(にほんかいこう)」の間に震源が集中していることが分かっています。

また、地球の表面はプレートという厚さ100kmほどの岩盤でおおわれているのですが、日本付近には4種類のプレートがあって、それらが地震の発生に関係しているのです。

4種類のプレートは、ユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートといいます。なお、ユーラシアプレートと北アメリカプレートは「大陸プレート」、太平洋プレートとフィリピン海プレートは「海洋プレート」の仲間です。

image by Study-Z編集部

海洋プレートは大陸プレートの下に沈み込むように動いています。そのとき、海洋プレートは大陸プレートを巻き込むようにしてしずんでいくのですが、それが限界を迎えると大陸プレートが急激に隆起し、元に戻ろうとするのです。この動きが大きな地震となった観測されます。

なお、大陸プレートと海洋プレートの境界となっている、谷のような面が海溝です。

プレートが動かなければ、恐ろしい巨大地震も減りそうなのですが…そもそもプレートが動くのは、地球内部の熱による現象。地球の内部が熱い限り、プレートの動きは止まらないんです。

image by Study-Z編集部

地下の浅いところで大地震が起こると、「断層(だんそう)」がのこることがあります。この断層は、その後もくり返しずれが生じることが多いのです。そのような断層は「活断層(かつだんそう)」とよばれます。活断層のあるところは地震が起きやすいので、とくに注意が必要です。

日本に住むからこそ、地震の学習は不可欠

日本はプレートがちょうどぶつかり合うところにできた島国。世界の中でも特に地震の多い国として知られています。皆さんの記憶にも、大きな地震のニュースがのこっているでしょう。

地球という星の活動が原因となる地震を止めることは不可能であり、また予知も難しいのが現状です。普段から地震に関するニュースに注目すると同時に、地震が起きたときにはきちんと対処できるよう、避難準備などもしておきたいものですね。

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理科

3分でわかる地震の揺れの種類・大きさ・仕組み!登録者数95万人人気講師がわかりやすく解説

先ほどの問題で、P波の速さが求められました。観測点Aは震源から108km離れていることが分かっていますので、”距離÷速さ”をすれば、P波が震源から何秒かけて観測点Aにたどり着いたかが求められるのです。今回の例では15秒という計算結果になっています。

地震の発生時刻を知るには、初期微動が始まった時刻から15秒引けばよいです。15秒前に発生した地震の波が、観測点Aに届いたのが”初期微動始まった時刻”なのですから。

地震のゆれの大きさ

地震のゆれの強さは「震度(しんど)」で表します。ニュースなどで聞いたことがあるかもしれませんね。日本では10段階に分けられています。

地震の波の到着時刻が同じ地点を結ぶと円形になります。

ただ、震源からの距離が同じ地点だからといって震度が同じになるとは限りません。なぜかというと、地盤の性質が違うためです。

地震のエネルギーの大きさ(地震の規模)は「マグニチュード」という数値で表します。マグニチュードが大きいと、大きな揺れの伝わる範囲が広くなるのです。震度とマグニチュードは違うものなので気をつけましょう。

地震の影響

大きな地震が起きると、地面に様々な影響があるのは、皆さんご存じのとおりです。

地震によって大地が持ち上がることを「隆起(りゅうき)」、大地が沈み込むことを「沈降(ちんこう)」といいます。

また、海では「津波(つなみ)」がおきたり、急に地面がやわらかくなる「液状化現象(えきじょうかげんしょう)」が生じることもありますね。

震央とゆれの関係を図で書く練習

地図上に震央と、各地点で地震が観測された時間差が表示されている問題がよく出ます。地震の波は震源から円を描くように広がっていくので、震央とのゆれの時間差を考えながら円を書くようにしましょう。

image by Study-Z編集部

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