この記事では「音頭を取る」について解説する。

端的に言えば音頭を取るの意味は「何人かで物事を行うときに先頭に立ってみんなをまとめること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「音頭を取る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「音頭を取る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「音頭を取る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「おんどをとる」です。

「音頭を取る」の意味は?

「音頭を取る」には、次のような意味があります。まずは国語辞典で正確な意味を確認し、そのあと詳しい意味やニュアンスまで見ていきましょう。

1.大勢で歌うとき、調子を示すため先に歌う。
2.人の先に立って手はずを整え、実現するように皆をまとめてゆく。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「音頭を取る」

意味の一つには、何人かで歌い出すときに最初に歌いだして調子を整えるということがあります。もう一つは、何人かで何かを始めるときに先頭に立ってみんなをまとめるということです。

何人かで物ごとをすすめるときは、一人一人が役割を担うだけではなく、全体に目を配るような存在がいると円滑にすすみやすくなります。「音頭を取る」というのは全体を統括することであり、方針や役割などに基づいて周囲に配慮したり、先に手本を見せるなど、全体がスムースに動けるように先頭に立ったりサポートしたりすることです。

「音頭を取る」の語源は?

次に「音頭を取る」の語源を確認しておきましょう。

「音頭を取る」の「音頭」は、雅楽(ががく)の合奏に由来します。もともと「音頭」とは、雅楽での管楽器ごとのパートリーダーである首席奏者が、各パートの冒頭部分を一人で奏じることです。音取(ねとり)と呼ばれる短い前奏曲の場合は、パートの全てを一人で演奏します。

そこから転じたのが、民謡などで全体を統率する独唱者や独唱部分のことです。さらには、冒頭部分ではなくリズムの中心となるという意味で、長唄などの三味線音楽では一定の旋律をリズミカルに反復する部分を指すようにもなりました。

\次のページで「「音頭を取る」の使い方・例文」を解説!/

「音頭を取る」の使い方・例文

「音頭を取る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.辞書を編集して出版する仕事は膨大な労力を要するが、音頭を取る人の能力にも大きく左右される。
2.部長が音頭を取り、先輩社員がサブリーダーとなって、創業100周年行事の計画がすすんでいる。

どちらの例文も、たくさんの人がいる中で何かを行う際に、先頭に立ち中心となるという意味で「音頭を取る」が使われています。

例文1.は、膨大な仕事量があると言われる辞書の編集は、先頭に立って動く人の判断力や裁量による影響が大きいということです。例文の2.のほうは、部長が100周年プロジェクトの要職を務めることで、行事に対する意識付けも高まり、社員の仕事に対する士気が向上する効果もありそうですね。

ほかにも、「乾杯の音頭を取る」という表現はよく使われます。会の始まりにあたって、最初の発声ということですね。

「音頭を取る」の類義語は?違いは?

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それでは、「音頭を取る」の類義語についての説明です。よく似た意味を表す慣用句について、一緒に詳しく見ていきましょう。

「采配を振る」

「音頭を取る」の類義語には、「采配を振る(さいはいをふる)」があります。意味は、自らが先頭に立って指揮や運営にあたることです。「采配」とは、紙を細く切って房にして1尺ほどの柄につけたものであり、実際に武将が指揮する際に振っていたとされています。

「采配を振る」は「采配を振るう」と誤用されることが非常に多くなっていますが、もともと采配とは柄に房のついたものであることを考えると「振る」ほうが自然ですね。

\次のページで「「旗振り」」を解説!/

「旗振り」

もう一つの類義語には、「旗振り(はたふり)」があります。合図などのために旗を振ることやその人という意味です。旗は、世界中で古来から合図を送るものとして使用されており、合図を送ることや合図を送る立場にある人という意味につながっています。

合図や支持を出す人を「旗振り役」、そういった役割を担うことを「旗振り役を担う」「旗振り役を務める」という言い方をすることもありますよ。

「音頭を取る」の対義語は?

次に、「音頭を取る」の対義語についての説明です。周りを引っ張る意味がある「音頭を取る」に対して、周りを支えるほうの立場を表す慣用句を対義語として見ていきましょう。

「黒子」

「音頭を取る」の対義語には、「黒子(くろこ)」があります。意味は、ある人や物ごとのために、自分は表に出ず地味な仕事をする人のことです。もともとは人形遣いや歌舞伎の後見が着る黒い衣装や着ている人のことで、そこから表に出ないで仕事をするという意味につながっています。

ほかに「黒子に徹する」という言い方もあり、裏方の役回りにこだわって仕事をすすめることです。誰かのために裏方に回る場合、自分が目立ちたくないときも使われます。

「縁の下の力持ち」

もう一つの対義語には、「縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)」があります。他人のために、陰で努力や苦労をする人という意味です。

「縁の下の力持ち」は、大阪の四天王寺で行われる「縁の下の舞」に由来します。「縁」はもともと「椽(たるき)」と表記されており、屋根から突き出して軒を支える木のことです。舞台ではなく軒の下あたりの庭で舞を舞うということ、さらに以前は非公開であったことから、陰ながら努力する意味として使われるようになりました。

「音頭を取る」の英訳は?

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最後に、「音頭を取る」の英訳についての説明です。日本語の表現とはイメージは変わりますが、関連する意味を持つ英単語を使った英語表現について見ていきましょう。

「take the lead」

「音頭を取る」の英訳には、「take the lead」があります。直訳すると「先導する、先頭に立つ、率先する」です。「lead」の名詞には「先導、率先、指揮」などの意味がありますが、「the lead」とすると「立役者、主役」といった意味があります。

ほかには、「 lead」を単独で使っても大まかな意味としては近い表現です。この場合は、「lead」を動詞として扱い、上記と同じく「先導する、指揮する」という意味があります。

\次のページで「「音頭を取る」を使いこなそう」を解説!/

「音頭を取る」を使いこなそう

今回の記事では「音頭を取る」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「音頭を取る」の基本の意味は、人の先頭に立って皆をまとめていくという意味です。広く使うことができる慣用句ですが、命がけのことや社運をかけるような場合には「采配を振る」のほうが好まれます。「采配を振る」の語源が戦場でのようすにあるために、勝負ごとに使われるのは頷けますね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「音頭を取る」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「音頭を取る」について解説する。

端的に言えば音頭を取るの意味は「何人かで物事を行うときに先頭に立ってみんなをまとめること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「音頭を取る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「音頭を取る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「音頭を取る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「おんどをとる」です。

「音頭を取る」の意味は?

「音頭を取る」には、次のような意味があります。まずは国語辞典で正確な意味を確認し、そのあと詳しい意味やニュアンスまで見ていきましょう。

1.大勢で歌うとき、調子を示すため先に歌う。
2.人の先に立って手はずを整え、実現するように皆をまとめてゆく。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「音頭を取る」

意味の一つには、何人かで歌い出すときに最初に歌いだして調子を整えるということがあります。もう一つは、何人かで何かを始めるときに先頭に立ってみんなをまとめるということです。

何人かで物ごとをすすめるときは、一人一人が役割を担うだけではなく、全体に目を配るような存在がいると円滑にすすみやすくなります。「音頭を取る」というのは全体を統括することであり、方針や役割などに基づいて周囲に配慮したり、先に手本を見せるなど、全体がスムースに動けるように先頭に立ったりサポートしたりすることです。

「音頭を取る」の語源は?

次に「音頭を取る」の語源を確認しておきましょう。

「音頭を取る」の「音頭」は、雅楽(ががく)の合奏に由来します。もともと「音頭」とは、雅楽での管楽器ごとのパートリーダーである首席奏者が、各パートの冒頭部分を一人で奏じることです。音取(ねとり)と呼ばれる短い前奏曲の場合は、パートの全てを一人で演奏します。

そこから転じたのが、民謡などで全体を統率する独唱者や独唱部分のことです。さらには、冒頭部分ではなくリズムの中心となるという意味で、長唄などの三味線音楽では一定の旋律をリズミカルに反復する部分を指すようにもなりました。

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