
「しどけない」の使い方・例文
「しどけない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.しどけない寝巻姿を見せる
2.けふの御座席こそしどけなう見えさせ給へ (出典:平治物語)
上記の例文にも乱れた服装と、色っぽさのイメージを感じますね。
また、「しどけない」は、シンガーソングライターの南佳孝の、郷ひろみや斉藤和義のカバーでも知られる名曲「モンロー・ウォーク」の歌詞にも見られ、グラスを片手に持ち、背中のあいたドレスを着た女性が窓辺にもたれかかり、「しどけない」ポーズで、酔いざましをしている、様子が歌われているようです。
「あられもない」
「しどけない」の類義語としては、「あられもない」や「はしたない」が挙げられます。
まず「あられもない」の意味から見てみましょう。
1.似つかわしくない。特に、女性の身だしなみや振る舞いとしてふさわしくない。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「あられもない」
「あられもない」の例文はこちら。
1.自分のあられもない噂が広まり困惑する
2.ベランダからあられもない姿を人前に晒してしまう
3.レストランにおける彼女のあられもないマナーを責める
国語辞典によるとその語源は、存在を意味する動詞「あり」に可能の助動詞「れる」が付いて名詞化した「あられ」が「無い(ない)」から。転じて、「そうであるはずがない」「あるまじきことだ」の意となります。「あり得ない」とは、意味も語源もかなり近い言葉です。
またこの言葉は、「露/顕な(あらわな)」とも語感が似ており、「あらわな姿」と「あられもない姿」ではどちらも同じ情景を喚起させる可能性がありますが、それらの語源から、本来異なる意味であることがわかります。
「はしたない」
そして「はしたない」の意味、辞書には以下のようにあります。
1. 礼儀に外れていて品がない。上品ではない。下品だ。いやしい。なさけない。
2.どっちつかずのさまである。中途半端である。
3.きまりが悪い。まが悪い。
4.そっけない。つれない。
5.迷惑である。
6.程度がはなはだしい。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「はしたない」
以下が「はしたない」の例文になります。
1.子供たちがお店で走り回っていて、はしたない
2.彼女のはしたないふるまいに驚く
3.こんな場所で、はしたない言葉遣いはおよしなさい
こちらの語源は、「はした金」などに使われる、半端、些細な、上品でない等の意味で使われる「はした」に「甚し(なし)」です。
この場合の「ない」は、「あられもない」のときの非存在を意味する「無い(ない)」ではなく、「甚だしい」を意味する「甚し(なし)」になります。
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